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ビーッと試合開始を告げる笛の音が鳴った。

あまりにもよく鳴り響くのでとっさに耳を塞いだ。



「男子のバスケってガチだよね。」

「私あの中に入ったら踏み潰される自信あるよ。」

「まー..Aは絶対あの中入らないほうがいいよね。」



男子の声が体育館中に響き渡る。

女子とは比べ物にならないほど大きな声。


ぼーっと見てるつもりなのに、いつの間にか重岡を目で追ってた。

コートの中をちょこまかと動き回っている。

生き生きしてて、楽しそう。

誰よりもボールに触ろうと走っている。



「どんまいどんまいー!」

『八木ちゃん、しょげんなって!』

『しょげてねえって!』



誰かが失敗したら誰よりも大きな声で励ます。

自分が失敗しても誰よりも大きな声で謝る。

重岡の声はよく通る。

遠くにいても聞こえやすい。



「重岡見てるでしょ。」

「..うっ。」

「恋っていいねー。」



結沙に図星をつかれた。

恥ずかしい。

すぐバレるほどじっと見てたのかと思うと余計に恥ずかしくなる。



「結沙は?」

「ん?」

「誰かのこと、見てたりするの?」



結沙は答えない。

答えに困ってるのか、答えたくないのか、なんなのか。

ただじっとコートを見つめている。



「..いないな、今ちょっと見てみたけど誰か特定の人をじっと見たりはしないかな。」

「好きな人とかいないの?結沙からそういう話聞いたことない。」

「あんまり自分のこと言ったりしないからね。」



またコートに視線を移す。

たくさんの男子がコートの中を行ったり来たり。

だけどすぐに重岡のことを見つけられた。



「あ、神山がボール持ってる。」

「ほんとだ、神山くん足速いね。」

「中学の時から速かったと思うよ。」

「へぇ。」



ダンダン、とドリブルを打ちながらゴールに向かって一直線に走っていく。

ゴール付近に着き、神山くんがボールを投げる。

だけど敵チームに邪魔をされ、わずかにゴールには届かなかった。


ガコン、と音を立てて落ちるボール。

誰かがそのボールを取ってもう一度ゴールへ投げる。

綺麗に飛んだ。

結沙の時より、もっと綺麗に。

ボールは吸い込まれるようにゴールへ入っていった。



『しげー!ナイッシュー!』

『すげーよお前!』

「ありがとう、しげ!」

「へへ、まあな!ほら次に集中!」



照れくさそうに笑ってる。

みんなの真ん中で、重岡はキラキラ輝いてるように見えた。









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プシュケ(プロフ) - しょあさん» ありがとうございます(;_;)大好きだと言ってもらえると私なんてまだまだちっぽけなのにとても誇らしい気持ちになれます。魔法のような言葉だなあと常々思います。更新頑張りますね! (2018年6月30日 21時) (レス) id: c500b02c4b (このIDを非表示/違反報告)
しょあ(プロフ) - だいすきなお話です!更新楽しみにしてます(ノ_<) (2018年6月25日 1時) (レス) id: a32bcb43cc (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - れんれんLOVEさん» ありがとうございます(;_;)そう言って頂けて有り難いです。2人の恋がゆっくり動き出すところを見守っていただけたら幸いです、更新頑張ります! (2018年4月15日 23時) (レス) id: 0d3b4e228a (このIDを非表示/違反報告)
れんれんLOVE - お互いまだ好きなのにその恋を諦めようとしてる。そんな感じでとても切ない気持ちになりました。これからも頑張ってください! (2018年4月15日 16時) (レス) id: d3a8aaae25 (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - 永瀬のあ。さん» ありがとうございます(;_;)弟子ができましたも読んでいただけてるんですね、嬉しいです、ありがとうございます。さっさと言えよ!って感じですよね、私もそう思います。笑 少しずつ成長していく姿を見守っていただけたらと思います、更新頑張ります! (2018年4月8日 22時) (レス) id: 0d3b4e228a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:プシュケ | 作成日時:2018年4月7日 18時

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