オワリノナイ恋 / A. Masaki【23】-11.26更新- (ページ14)

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894.重なる夜･･･S ページ14

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「･･･相葉くんとの･･･」

「････？」

「･･･相葉くんとのことは･･･何一つ落ち度ねーんだろ･･･？｣

「･･･あ、、はい。私はそう思ってます、、さっき携帯開いたら連絡も入ってたんですけど、、なんだかまだ向き合う気になれなくて、」

「連絡って･･･？」

「ごめん、どこにいるの、迎えに行く。って･･･」

「じゃあ、あいつは受け入れてんじゃん、、」

「でも、、なんか腑に落ちなくて。･･･怒らせた理由がわからない自分にモヤモヤするっていうか、、雅紀くんの様子だって･･･あんな･･･」

「･･･｣

「ごめんなさい、、面倒な話ですよね･･･｣

俺に背中を向けた彼女が自重気味に笑って「やっぱり、私から連絡入れて話し合ってみます、、」って一人自己完結しようとする。

「や･･･面倒ではないけど･･･」

「･･･」

「まぁ、、話しようって思えるようになってきてるのはいいことなんじゃねえの？」

「ん･･･」

「多分、動揺してるだけだって。」

「そ･･･ですよね。」

「うん。寝たらその不安も、モヤモヤも消えてるさ」

「･･･」

俺の声に、何にも返事がなくなって
チラッて彼女の方を見ると「櫻井さん、、」ってまた申し訳なさそうな声がした。

「ん？」

「今だけ、、くっついても、、いいですか」

「･･･え？」

「･･･少し、、背中、、貸してもらえませんか･･･」

そっと振り返ると、泣きそうに、、不安そうな瞳が暗闇の中でもわかって。
その瞳に断る強さを、俺は持ち合わせてない。

ぎこちなく頷くと「ありがとうございます、、」って声が聞こえて
俺が背を向けると、Tシャツを遠慮がちに摘ままれる感触。

好きな子前にして、同じ布団に入ってるっていうのに
体を重ねるわけではない現実に、襲いたくなりそうな衝動を必死に抑える。

心臓がどくどくと高鳴る音に、変に手に汗が広がる感覚。
自分の緊張に気づかれないよう、小さく深呼吸をするけど背中の温もりに、睡魔も襲ってこない。

どうすっかな、、、って考えてるうちに背後から聞こえてきた穏やかな呼吸音。

ゆっくりと、規則正しく繰り返されるその音に
彼女が眠れていることに、安心したような悲しいような。

「はぁぁぁぁ、、、、」

深い眠りについているだろう彼女には
俺のこの感情が、一ミリも伝わっていないんだと
改めて、知ることができた夜だった。