オワリノナイ恋 / A. Masaki【23】-11.26更新- (ページ13)

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893.鈍感ちゃん･･･S ページ13

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･･･寝てない･･･？

「Aちゃん･･･？」

寝る様子のない彼女に、意を決して声をかけてみると
俺に背を向けていた体が、わかりやすいくらいにビクッと震えた。

「あ、、ごめん。」

白い光が、パッと消えて
うす暗がりの中で、彼女が体を起こしてこっちを振り向く気配。

「･･･ごめんなさい、、起こしちゃいました･･･？」

「や、、ハハッ」

Aちゃんがいて、緊張して眠れなかったとは言えなくて言葉を濁らせる。

「すみません、ちょっと、、眠れなくって、、」

「眠れないって、、具合悪いとか･･･」

俺の質問に、うす暗がりに慣れた視界で彼女の影が首をふる。

「あ、、あの･･･」

「ん･･･？」

「ダメだったら、、いいんですけど、、」

「うん、」

「そっち、、行ってもいいですか、、？」

「･･･へ？」

そっちって、、ベッドに、ってこと？
え･･･？添い寝ってこと･･･？
聞き間違え？･･･じゃないよな？

「や、あの･･･ダメですよね、、すみません、、なんか不安っていうか･･･それで、、」

「や、、お、れは･･･構わないけど、、」

「いいんですか･･･？」

「あ、おぅ、、」

なんだこれ。夢じゃないよな？
うん、抓ったケツはしっかり痛い。

あんまりそういうの、気にしないタイプか？
前から鈍感だとは思ってたけど･･･想像以上に鈍感ちゃん？

そんなこと考えてるうちに「お邪魔します･･･」と枕を大事そうに抱えて目の前に現れたAちゃん。
壁際によって、布団をめくって迎え入れると
おずおずと布団に入り込んで、すぐに彼女の女性らしく柔らかい匂いがする。

ベッドは寝相が悪いせいもあり、ダブルを使ってるから狭さは感じないけど
香りと物理的な近さに、さらに眼が冴える。

「ごめんなさい、、お布団狭くしちゃって、、」

「や、、いいけど、、」

「何しちゃったんだろう、って考えたら、、全然眠れなくて･･･｣

「何しちゃった、って相葉くんとのこと･･･？｣

「はい、、｣

あぁ、、そのこと思いつめて眠れなくて
考えすぎて、さらに不安になってきちまったってことか、、

なんとなくわかってはいたけど
布団に入ってきた理由がそれだと本人の口から聞くと
あからさまに、心がズクンと沈む感覚がした。