やぶくんとひかるくん（短編集）

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光side



あの後もしばらくやぶの看病を続けているうちに
いつの間にか俺、寝ちゃってたみたいだった。


目が覚めたら朝で慌てて起き上がると、
薮が笑顔でこっちを見つめていた。




｢やぶっ！？体調は？大丈夫…？｣



そう言うと満面の笑顔とピースで



『俺に1番効くおくすりが隣にいてくれたからもう薮くん治しちゃいました〜♪』



…って。

思わずふふっと微笑んでしまう。



｢薮くん専用おくすりは効果抜群ですか？｣


『抜群！だけど見てないとすぐどっかいっちゃうけどねぇ〜？』




コイツ…まだ料理作ってたこと根に持ってるのかよ！笑

だけど、そんなやぶも“可愛い”……なんて。



そんなことを考えていたら、
いきなり真面目な顔になった薮。



『この間はさ、俺がつまんない意地張ってひかる傷つけて……喧嘩しちゃってごめん 』


そんなの………


｢俺も、ごめん…やぶのこと、分かってなかった。｣



『けどさぁ、ひかる来てくれて本当に助かった。あのままだったら俺死んでた(笑)ありがとな？』



いきなり素直にありがとう、なんて…照れくさいな…。




｢……やぶがちょっと可笑しいことなんてすぐ気づくわ、ばーか！｣



『けどひかる、内心本気で焦ってただろ〜？』




ってにやにやしながら聞いてきたやぶ。

なっ…なんで知ってんだよ？！

……図星をつかれてなにも言い返せない…。




『家に入ってきたときに、薮っやぶっってすごい大きな声で呼んでる声が聞こえた(笑)』




は…恥ずかしすぎる！！！！/////




なんで意識朦朧としてたのに

そういうところだけ覚えてんだよ……




……こうなったらやぶにも恥ずかしい思いさせてやる…！




｢やっ…やぶも待ってたんだろ！お前専用のおくすり！ ｣


『うん、待ってたよ』



……なんで…そういうことを…
普通に言ってのけちゃうかなぁ…

やぶはやっぱりずるい。





…まぁ、そんなところも好きなんだけど。






なんて、絶対に口が裂けても言わないし、

言えないけどね？









end♪

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