私の弟。【山口忠】

忠は、頼もしい子なんです。 ページ7

夢中で見ていたからか、忠に気付かれてしまって、


もう時間も遅いからと、うちへ帰ることになった。


一緒に帰る途中、私はずっと気になっていた疑問を忠に尋ねてみることにした。


「忠、バレー楽しい？」



すると、忠は頰を掻きながら照れ臭そうにこう言った。


「うーん、どうなんだろ。

あんまり楽しいかどうかって、考えたことなかったかも。

でも、とにかく負けたくないんだ。俺だって試合に出たい。」


言い終わると忠は、今までに見たことないような凛々しい顔で


日が沈んでしまい、暗くなった遠くの空を見つめていた。


町の明かりが、今日はやけに眩しかった。




翌朝、いつもより早く起きたので


玄関まで忠の見送りをした。


見慣れているはずなのに、やけに忠の背中が大きく感じた。


いつのまに、こんな頼もしくなったんだろうか。


姉ちゃん少し寂しいよ。



登校した後、学校が妙にざわざわしている雰囲気がした。


そういえば、インハイがもうすぐあるんだっけ。


今まで忘れていたが、うちの学校は運動部の活動が盛んだ。


特に、男子バレー部が。


そういえば、同じクラスの瀬見君はバレー部員だったっけ。


あとでインハイの日程聞いてみようかな。

姉、初めてのバレー観戦。→←忠は、努力家なんです。

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