私の弟。【山口忠】

忠は、努力家なんです。 ページ6

ついに、合格発表の日。


私は学校があったので、一緒に見に行けなかったけど


帰ってきたらものすごく笑顔の忠がいた。


忠の努力が報われたんだなって思うと、自分の受験の時よりも嬉しかった。




桜がちょうど満開になった頃、忠は高校一年生になった。


また中学の時と同じ、バレー部に入ったみたいだ。


バレー、か。


あの時の抑圧されたような顔が思い出される。


忠は本当に、バレーが好きなんだろうか。




ある日の夜、勉強中に無性にアイスが食べたくなってしまって


近くのコンビニに出かけようとした。


けれど、なんだか遠出をしたくなってしまって


うちから少し遠い嶋田マートへ行くことにした。


なんせ久しぶりに行くので、少々迷ってしまい


ついた時にはもう閉まってしまっていた。


でも、裏からパシン、パシンと


ボールを叩くような音が聞こえてきたので


少し気になって、裏を覗いてみた。



すると、お店の制服を着たメガネの人と、忠がいた。


どうやら、サーブの練習をしているらしい。


そういえば、いつも部活にしては遅い帰りだなぁと思っていたのは


これが理由だったのか。


しかも、練習している時の忠の顔は、


バレーを始めた時の、あの顔だった。

忠は、頼もしい子なんです。→←忠は、頑張り屋さんなんです。

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