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六勝目 ページ50

「し、神々廻…君!」

「一帆!?
 ちゃんと連絡よこせって言っただろ!」

「ご、ごめん…なさい」

「謝んな。やっぱ変わんねぇな、お前。
 弱虫泣き虫、直せって言ってんだろ」

「うぅぅ…」

 確かにこう見ると憤怒の条件には当てはまってる。
…怖い。竹梅君と一緒に来るべきだったかな…
ううん、ダメだ。
これは私が任せられた仕事だから。

「えっと…愛洲君、は?」

「アイスならそろそろ戻ってくると思うけど。
 何だ、アイツまたなんかしたのか?」

「う、ううん。
 二人に、話したいこと、が。あって…」

「ハキハキ話せ。
 いつ見てもうじうじしてて頭にくる」

 金の目が私を睨む。
やっぱり怖い…

「…ごめん、なさい」

「謝んな」

「怒ってる…から」

「あーもう!」

 神々廻君は頭をぐしゃぐしゃっと崩した。
怒らせちゃってる…

「怒ってねぇよ、怒ってねぇ!
 だから謝んな!」

「やっぱり、怒ってる…」

「怒ってねぇ!」

「どったのー」

「あ、愛洲君…」

 淡紅藤の髪をゆらゆらしながら歩いてくる。
ニコニコしているのを見て、今日は機嫌がいいんだな、と安心した。

「一帆ちゃん!
 久しぶりー、元気してた?」

「うん。元気だった…よ。
 愛洲君も、元気そうで、良かった…」

「まぁ僕はいつでも元気だよっ!
 僕が元気じゃなかったらみんな悲死んじゃうからね!」

「んなわけねぇだろ。
 全員が嬉しくて踊りだすわ」

 はぁ、とため息を吐く神々廻君。
それを見て少し馬鹿にしたように笑う愛洲君。

「それはタケルだけだよー。
 学校一の不良だなんて言われちゃってさ、ウケる!」

「ウケんな!」

「で、一帆ちゃんは何の用で来たの?
 僕が恋しくなっちゃった?」

「ううん。
 実は、ね…」

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作者名:future*show | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年3月30日 13時

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