六勝目 ページ43
「まず大前提として、七つの大罪は七人だけじゃない。
傲慢だけでも複数人いるってのを理解しろ」
「…理解した」
「俺が今から言うのは、お前らに一番近い奴らだ。
それに、七つの大罪は七つの美徳と違って自覚してない奴が多い。
まだ七つの大罪としての力が芽生えてない奴も多い」
ヤナセはそう言うと、目をつむり息を吸い込んだ。
「…傲慢。
界紋能学園高等部一年生、愛洲萌青。
憤怒。
界紋能学園高等部一年生、神々廻猛琉。
嫉妬。
聖臨学園中等部二年生、匿名歌舞斗」
「！？」
俺…
「怠惰。
界紋能学園高等部二年生、明日野綾」
「お姉ちゃん…」
「強欲。
私立照源女子学院中等部二年生、花宮舞歌」
「舞歌ちゃん…」
アスノとチクバイが呟く。
花宮…竹梅家の前、元々の本家だったか。
その跡継ぎか？
「暴食。
聖臨学園中等部一年生、青間笑。
色欲。
界紋能学園高等部三年生、節松希夏。
以上七名、だ」
アオマ…
「希夏さんも…」
「で、喜べお前ら。
七つの美徳、謙譲と忍耐を連れて来てやったぞ」
「え？」
「た、互いに認識してないはずなんじゃ…」
「俺にはそんな常識当てはまらねェから。
悪ィな、外でずっと待たせて」
入ってきたのは、俺たち聖臨学園生なら誰でも知ってる有名人。
聖臨学園高等部一年生…愛徳一帆先輩だった。
「…ナルエ、先輩」
「と、匿名、君。こんにちは…」
「歌舞斗君の知り合い？」
「学校の先輩だ。
…いや、俺は美術部でも演劇部でもないから
厳密にいえば先輩ではないんだが…」
他に人は見えないようだった。
…あと一人は？
「紹介するぜ。
七つの美徳の謙譲兼忍耐。
愛徳一帆ちゃんだ」
「よ、よろしく、お願い…します」
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作者名：future*show | 作者ホームページ：
作成日時：2021年3月30日 13時
