後へ続け少年少女

五弾目 ページ14

「…元【Nightmere】の柳瀬さんとは知り合いなのか？」

「知り合いって程ではないけど、話したことはある。
　一年くらい同じ会社だったしな。
　何だ、羨ましいか？」

　羨ましい。

「…他に質問はあるか？」

「男嫌いの理由」

「男嫌い？…あぁ、そうとらえられるのか。
　『ヘミングウェイ』の奴らが嫌いなだけで、男嫌いではない。
　無理やり仲良くなろうとしてくる奴は嫌いだけど。
　他は？」

「家のこと、どう思ってる？
　節松家は下克上を狙ってるんだろ？
　竹梅とはそのために仲良くしてるのか？」

「寝ぼけてるのか？」

　どうしてそうなった？

「俺はサト兄を信頼してる。
　もちろん、夏兄よりも」

「そっか」

　夏兄ってのは…節松先輩のことか。

「家のことは特に何とも思ってない。
　大人になったら節松家のトップの首を斬って
　それをサト兄にプレゼントしようと思ってるだけで」

「…実の兄弟を？」

「もちろん」

…節松先輩に知らせておこう。
何となく、本当にしそうな気がする。

「ところで。ウジ虫」

「ウジ虫はやめろ。
　俺は亜茶斬夜だ」

「俺にとってはどっちでもいい。
　…タダで他人の情報を得ようとしてたわけではねぇよな？」

「え？」

　金か？

「俺にもオマエの情報を教えろ。
　そうしねぇと不公平だろ」

「別にいいけど、何が知りたいんだよ」

「俺が持っていなさそうな情報をよこせ」

「知らねえよ」

　最近帰って来たんなら最近起こったことは知らねぇか…？

「じゃあ柳瀬さんがアイドルをやめた理由を教えろ」

「俺に？
　世間的に知られてる理由しか知らねぇぞ？」

「それでもいい」

　といっても、俺もそこまで詳しいわけじゃない。
知ってる範囲だけでいいか…

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