『九人確かにここに、いるんです。』

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今回の振り付けは我らが岩本で、いつも通り少々クセの強い、しかしキャッチーで目が離せない中毒性のあるもの。
まずはお手本として目の前で全体の振りを確認して、その後照の指導によって振り入れが始まる。

細かい足の動きが多いから、康二とか阿部ちゃんとか覚えるの大変そうだな。あ、今のとこふっか得意だろうな。あの部分はめめの横顔が映えそう。
そんなことを思いながら、ふと隣に座っているめめをちらりと見る。

マスクをしていてよくわからないけど、若干呼吸が激しい気がする。急いで来たからか？
声をかけようかと思ったが、真剣に振りを見ている彼の邪魔はできない。後で声をかけてみることにする。


岩「…こんな感じで」
向「うあーー！ムズいってー！」
阿「頑張ろうね、康二…」
佐「わからなかったら佐久間さんに聞くといい！」
阿「佐久間の説明擬音多くてやかましいんだよなあ(笑)」
佐「およ？それはディスりというやつでは？」
宮「というか振り付けは照だし照に聞くよね、まず」
「ぐははぁ(笑)確かに(笑)」
ラ「さすが舘さん、冷静なツッコミ！」
深「そのツッコミが佐久間を襲う＿！」
佐「グアァ…！！くっ、くそぅ！！」
岩「はいはいはい、やるよー」


照の号令に騒がしい俺たちは良い子にお返事をし、それぞれの立ち位置につく。
あ、そういえばめめに声かけるの忘れてたな。大丈夫かあいつ。

最初の立ち位置では俺とめめの距離はだいぶ離れていて、今から声をかけようにももう振り入れが始まりそうで難しい。
姿見るだけでも、とめめのほうを見てみると、近くにいた舘さんと何やら会話をしていた。

たぶんあいつも体調悪そうなの気づいてそうだな。舘さんが声かけてるならいっか。
そう思い少し安心し、俺たちの前に立つ照の背中へと視線を動かして振り入れに集中することにする。



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それから時間が経ち、いよいよラスサビからアウトロまでの振りを入れる前に照から休憩の声がかかった。
俺が危惧していた振り覚えに時間がかかるトップ2の康二と阿部ちゃんはなんとかついていけてるらしく、満足そうな顔で水分補給をしている。

ラウはまだ改善の余地があると感じているらしく、照のアドバイスを聞きながらまだ練習をしていて、それを親のような目で見守るふっかがいた。
他の3人はどうしているだろうと目を向けると、そこには壁際に座り項垂れているめめと、彼に心配そうに声をかけている2人がいた。

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