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レッスン90【ni】 ページ50

「兄さんって恋したことある??」
「また唐突やなぁお前…俺が居らん間になんかあったん??」
「…まぁ、色々」
「深くは聞かへんけど…せやなぁ、俺も昔は
好きな子居ったけど…振られてもうてな」


えっ…?兄さんが、振られた…??
いやいや、嘘でしょ…こんなナイスガイが
振られるとか…ありえな…


「兄さんを振った子って何処に居るの??」
「お前なに企んどんねん…知らんわそんなの」
「なんで兄さんが振られるのよ!
振られる要素ないじゃない!!」
「俺にも色々あったんや…」


「…振られた時って、どんな気持ちだった?」
「そりゃあ、悲しかったで。
俺は好きやったから…割とショックやった」
「別れた後って、もう戻れないのかな…」
「必ずしもそうって訳やないけど…まぁ
多少気まずくはなるよな」


やっぱりそうだよね…
振る側は何かしらの理由があって振るけど
振られる側からしたらすっごく悲しいよね。
小説でも読んだことあるもん。


「…A、お前告白されたんやな」
「うっ…勘のいい兄さんには敵わないや…」
「お前、そろそろ自分に素直になりぃや」
「私はいつも素直…だと、思ってる」


嫌な事は嫌だと、好きな事は好きだと
言ってきたはずだ。
自分の気持ちはハッキリと伝えてきた。
それを兄さんは分かっているはずなのに。


「素直やったら、とっくに返事してるはず
やと思うけどなぁ??」
「…そう、ですね……」
「自分の気持ちと向き合ってみろ。
初めからもっかい考えてみろ」
「…でも、でもっ!!」


反論しようとすると、彼は私の頭を
がしっと押さえつけてきた。


「痛いいたい!!痛いです!!」
「でも、やないわ阿呆。
お前の好きはどういうもんか。
お前が一番好きなのは誰なのか…それを
一番よく分かってるのは誰や??」


「それ、は…」
「…伝えてこい、それを。
お前なら出来るやろ??素直なんやから」


…嗚呼、そっか。
私は今までずっと、逃げていただけなんだ。
分からない、の一言で片付けて。
ただ、怖くて言い訳をしていただけ。


「…兄さん、私…伝えてくる」
「ん、頑張りや」


私は部屋を飛び出した。
今まで待たせてしまった分を埋めるように。
早く、早く。
──────
-ni side-

「長かった物語ももう終わる…か」


誰も居ない部屋で一人、呟いた。
昔の泣き虫でか弱い彼女はもう居ない。
彼女も、彼らも…そして俺も成長した。


「…暫くは、俺が居らんでも大丈夫そうやな」

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あおりん(プロフ) - Aの化身さん» 私は日々疲れているんだよ(適当) (2019年4月23日 21時) (レス) id: d835d0636f (このIDを非表示/違反報告)
Aの化身(プロフ) - 最近更新の波に乗ってるな…そうか、疲れたか(すっとぼけ) (2019年4月21日 20時) (レス) id: dad4428741 (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - はっちゃんさん» イケシマ最高だよね(自画自賛)応援ありがとー!! (2018年7月16日 14時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - イケシマ最高だね。応援する (2018年7月16日 13時) (レス) id: 73631aae6a (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです…!!更新頑張ります!! (2018年7月15日 18時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あおりん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年7月12日 22時

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