オトナリサン。 2nd (ページ8)

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【54】Yes？No？ページ8

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「俺、“そういう意味”で聞いたワケじゃなかったんだけど。」

「辞書的な意味じゃなくて、ってことですか？」

「そう。」

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じゃあ余計にさっきの“デートって何？”の質問の意味が分からなくなる。

言い方がまどろっこしいというか、遠回しの感じというか。

モヤモヤさせるような言い方だから脳内が勝手にフル活動し始める。

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「･･････頭痛くなってきた。」

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そろそろ思考回路がショートしそうだから難しいことは考えるのをやめる。

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「ねぇ、」

「何ですか。」

「うわ、反応冷たっ。」

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いつの間にか二宮和也を抜かして歩いていたようで、彼の声が後ろから聞こえる。

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「ねぇ、」

「何ですか。」

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どーせ、中身のない話だろうに。

ムダに呼び掛けられてウザイ。

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「だから、ねぇーってば！」

「もうっ！何ですか。」

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さすがのしつこさに振り向かざるを得ない。

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「あ。やっと、こっち向いた(笑)」

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振り向いた先にいた二宮和也の美しさに、思わず息を呑んだ。

街灯を浴びている姿が、どこかの雑誌の1ページみたい。

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その光景に思わず見惚れた。

だからかな？

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「俺も、瀬名さんとデートしたいって言ったら･･････してくれんの─────？」

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「･･････え、」

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無意識に口から出た言葉は、自分でもビックリするくらいカッサカサだった。

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「で、どうなの？」

「どうって何が、」

「何って、デート。聞こえなかった？」

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いや、聞こえてはいた。聞こえたけども。

一瞬でも本気にした自分に驚いた。

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二宮和也はいつもジョークばかりで、今も私をからかってるだけかも知れないのに。

バカみたいに少し本気になった自分が恨めしい。

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「で、返事はYesなの？Noなの？」

「･･････」

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あぁもう。いつものように上手い切り返しが思い付かない。

そんな自分に嫌気がさして、二宮和也を置いて先に歩み始める。

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「無視作戦？」

「･･････」

「コンビニくんの話は本気にして、俺の話は本気にしないんだ？」

「そういうワケじゃないけど！」

「へぇ･･････じゃあ、どういうワケ？」

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意地悪く笑う二宮和也に、墓穴を掘ったと悟った。

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