おとなりさんのAfter Day’s【歌 い 手】

そらる×実況動画その後 ページ6

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「彼方さーん、ちょっとここ見てほしいんですけど…」

「ん、どれー？」

　
スマホをおいて、彼女の側に行けばパソコンとにらめっこしている彼女
その画面には、ポケモンバトルの動画が映っていた。

　
俺との対戦動画を投稿してからというものの、Aのレベルの高さに炎上ではなく
別の動画も見て見たいと、ゲーマーさんたちのコメントが多くなり
彼女は、ポケモン動画の配信者になっていた……まふまふのせいで。

　
「ここなんですけど、少しだけ音声消したくて…」

「あー、それなら……」

「あ、ありがとうございます！」

　
ちなみに彼女は、この前まふまふとの実況動画を撮影して見事にぼこぼこにしていた。
その動画はまふまふが編集していて、見るたびにこれどうやったらこうなったんですかとか
そんなつぶやきが俺の元に飛んできている。俺もあんまり勝てないから知りません。

　
「それにしても、Aが実況者ねぇ…」

「違いますよ！ただ、バトルしている動画を投稿するだけです。」

「んー…じゃあ配信者？」

「生放送はしませんけどね？」

「えー、いいじゃん。俺とやろうよ今度。バトル生放送。」

「……考えて、おきます。」

　
コメントが温かいものばかりだったか、俺が引かないとわかっているからか
拒否はされなくなった。そんなAの頭を撫でてからベットに戻ってゲームを手にもつ。
流石に俺も彼氏としてずっと負けてなんかいられないっていうプライドがあるからね……

　
「んー…Aみたいに特殊なパーティーを作るべきか。」

「私そこまで特殊じゃないですよ。」

「いやいや、性格悪いでしょ、あのパーティー」

「えー…そんなことないです…」

　
俺が言っている彼女のバトルチームは、例のまふまふの動画でまふまふを叩きのめしたチームだ。
絶対先制できる特性や、素早さが高いポケモンで状態異常にして
こっちの行動を制限してきて、『たたりめ』という、状態異常の時に威力が上がる技を連発してくる


「…できた。」

「終わったー？」

「何とか終わりましたー」

「ん、お疲れ…おいで。」

　
椅子で伸びをしているAを両手を広げて呼べば、おずおずと抱きついてくれる。
あー…可愛い、癒されるわ……

　
「彼方さん…苦しい…」

「え？あぁ、ごめん。」

「…えへへ。」

「ちょっと休憩したら、バトルしよ。」

　

そろそろ、負けられないからね。
そう言えば、彼女は意地悪そうに笑った。

　
「負けませんよ。」

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