おとなりさんのAfter Day’s【歌 い 手】

そらる×徹夜明けの1日〜ゆの様リクエスト〜 ページ4

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つ、疲れた。
気が付くと、外が明るかった…ということは徹夜で作業してたんだな…俺。

　
「…あー、今日は何もやる気が……そうだ。」

　
ちょっと仮眠でも、なんて思う前に家の鍵を開けてラインを送っておく。
決めた、今日は1日Aにお世話してもらおう……

　
「…ダメだ、もう限界…。」

　
布団に倒れこみ、ゆっくりと意識を手放す。
意識が完全になくなる直前、ドアが開いた音がした……え、早いな。

　
「A……？」

　
パタパタと足音がしたかと思えば、自室のドアが開けられた。
完全部屋着のAは久しぶりに見るなぁ…

　
「彼方さん！？」

「あー…おはよう……おやすみ……」

「あれほど徹夜したらダメって言ったじゃないですか、もう…！」

「夢中に…なってたら…つい…………」

　
多分、彼女と最後に交わした会話はこんな感じだったと思う。
そして、次に俺が起きた時…時間はなんと昼過ぎだった。

　
「うわっ…ずいぶん寝たなぁ……」


　
寝ぼけた意識のまま、水でも飲むかと思ってリビングに向かおうとする。
ドアを開けた瞬間に、おいしそうな匂いが鼻をくすぐる…Aの料理の匂いだ。

　
「……A……？」

「あ、おはようございます。彼方さん。大丈夫ですか？」

「なんとかね……とりあえず、水頂戴……」

「お水ですね。……はい、どうぞ。」

「ありがと……」

　
水を飲んで一息、醒めてきた意識とクリアになった視界で辺りを見渡せば
昨日俺が引きこもって作業を始める前より綺麗になっている部屋があった。

　
「え？これ、まさか掃除してくれたの？」

「勝手にやるのはあれかなぁとは思ったんですけど…彼方さん起きるの待ってるついでにって。」

「…えー、何それめちゃくちゃ嬉しい。」

「ふふっ、ご飯もできてますから食べましょう？」

「そうだね。」

　
うん、Aはいいお嫁さんになれるね。
抱きしめようとした腕はするりと潜り抜けられたけど…それは食後でいっかな。
なんて思いながらお昼ご飯を食べ終わった。

　
「Aーこっちきてー」

「ん？なんですか彼方さん。」

「いいからー」

「は、はい…」

　
食器を洗おうとした彼女を無理に呼び寄せてソファーに。
そのまま抱きしめれば、いまだに慣れないのか顔を赤くした彼女の姿が。

　
「A成分が足りないから充電……」

「なんですかそれ。」

「いいでしょー…疲れたんだもん。」

「仕方ないですね。」


　
たまには、徹夜も悪くないかな。

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