【Fischer's/マサイ】お隣さん

08.ルーティン ページ9

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散々お酒を飲まされた次の日。


うちの会社はカレンダー通りの休みだから、土曜日の今日は休みだ。まぁだからこそ昨日あれだけ無理して付き合ったっていうのもあるけど。次の日が仕事だったらやってられない。



昨夜マサくんと部屋の前で別れて家に帰ってきて、せめてメイクだけは落とさないととかろうじてメイクを落としたわたしは、マサくんにもらった栄養ドリンクを飲んで、そのままベッドで力尽きた。


マサくんにもらったドリンクのお陰か、かなり熟睡できたからか、やってくるだろうと思っていた二日酔いに悩まされることなく、いつも通り7時にはすっと目が覚めてしまった。


しかも、身体も好調だ。



今日は久しぶりに予定がない休日。

ここのところ引越しやら年度の始まりやら友達の結婚式やらでずっとバタバタしていたので、今日はゆっくり過ごそうと前から決めていた。

でも、いざそうなってしまうと何をしていいか分からなくなってしまう。


『んー、映画も観たいし、この間買った本も読んでしまいたいし、撮りためた写真も整理したいし………』



忙しくて手がつけられず溜まってしまったやりたい事。予定を入れなくてもしっかりやる事はあるのだ。



何からやるか考えながらベッドから身体を起こすと、ふとサイドテーブルに乗せたままの栄養ドリンクの空き瓶が目に入る。



『あ、そうだ！』


マサくんにお礼のお菓子でも作ろう。



久しぶりのお菓子作り。

自炊は一応しているが、忙しい仕事に追われるとそれは最低限なものになってしまう。

そんな中で、実は趣味であるお菓子作りになかなか手をつける気にならないのは仕方ないことだと思う。



一度思い立てば気分は乗ってくるもので、何を作ろうかと考えながら、顔を洗って、簡単にメイクをして、髪を普段はやらないポニーテールにした。



そう言えば、メイクしない日が無くなってきたなぁ、この年になると…。


若い頃はノーメイクで普通にコンビニに行っていたのに、今では予定がなくてもとりあえず朝起きると簡単なメイクはしてしまうのだ。


メイクをし過ぎて負担を掛けているであろう肌を心の中で少し労いながら、この前の結婚式の二次会で当たったコーヒーメーカーのスイッチを入れた。



ここまでは仕事がある平日も休みの日も変わらない、いつものルーティンである。



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