coffee or milk 2nd

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誰の視線も、

アキラの声も気にしない。




『失礼しました、』



作り笑顔とこの言葉を置いて、自分の楽屋へと戻る。




アニメのヒロインみたいに走ったりしたら、それこそ自分の心情を認めたようなものだ。




落ち着いて、

落ち着いて。





自分で自分に言い聞かせて、さっき見えた景色を消していく。






要らない、不必要

私には無関係。


...自分の気持ちなんて使わない。


使用不可、立ち入り禁止のテープをぐるぐる巻きにする。

これで大丈夫だ。私は立てる。







大股で自分の楽屋へと戻り、パイプ椅子にどかんと座る。





耳にイヤホンをぐっと突っ込んで、

安定の体育座り。




流す曲は、どうでもいいものばかり。




誰の曲かも分からないような、ただ人気と出ている曲をかける。



聞いたことも見たこともない景色、


異次元の世界に足を踏み入れれば、大抵は現実から目を背くことが出来るのだ。







画面に集中していくと、

私の頭を支配していた恋心はどこかえ消え去る。







私の名を呼ばれて、

あんなにも心が大きく脈打ったのは...




気のせいだわ。

そう、気のせい。






剛典から呼ばれた私の名は、

何か特別な物に聞こえたのも、





気のせいよ。








さぁ、忘れて。



永遠の眠り姫になるの。





針に刺されたオーロラ、

自分で刺した、私






王子のキスで目覚めるオーロラ、

キスをされても、それが効かない私







残酷な道を、


もう進んでしまったの。


止まることなんて出来ない。



いや、止まらなくていいわ。






私に恋は不要物




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