coffee or milk 2nd

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sibe HIROOMI:






あぁ、疲れた。


「何時まで仕事やらせてんだよ、んとに」





どれだけ疲れていようが絶対に浸かるバスタブに、ぶつぶつとグチを呟きながら身を沈める。





この世の中、芸能界にいるというだけだと華やかな世界を想像するかもしれない。

だけど実際は、どこぞの大規模会社よりハードな世界だと思う。




売れなければ収入なんてないわけだし、もちろんそう簡単に売れはしない。



俺らだって元はと言えば、
EXILEさんという大きな人達が創ってくれた道を、辿ってるだけ。



よくよく考えたら二世タレントみたいな感じだよな。




EXILEさんの名があったからこそ、俺らはデビュー当時から注目されてた。


それを言うと、周りのファンは「そんなことない、実力だよ」って言ってくれるかもしれない。



でも俺からしてみれば、

デビューが俺単独のソロだったら。別のアーティストの一ボーカリストとしてだったら。


絶対に売れてない。






こんな話をあいつにしてしまったっけ、この前。


普段なら絶対って言っていいほど、そんなこと言わねぇのに。


何でか引き出されてしまった。







そしたらA、こう言った。


「自分から見た自分と、人から見た自分は違う」



頭が弱い俺は、最初「何言ってんだこいつ」ってなった。

正直言って、偉そうだなって。笑



だけどよくよく聞いていく内、

...Aも俺と同じ苦労者だった。影の努力家だった。




自分が思ってる弱さの部分を、他人は強さと捉えているかもしれない。
その逆だってある。

他人が思ってる自分のこと、実際はそうではないかもしれない。


でもそれって、自分しか分からないことでしょ？

だから堂々と胸はって、臣さんは臣さんらしく歌ってればいいの。
それを好きって言ってくれるファンの人は数えきれないほどいるんだから！




これを言った時のあいつの笑った顔は、

子供らしさが少し残る美しさだった。



言ってることにも筋道通ってて、自分に自信つけられた。








...あいつに会いてえな、Aに。


ここ数週間、一切合えてない。

エレベーターで会うことだってないし、連絡したって出ない。


テレビや雑誌に載ってるAを見て、忙しいのかなって思ったりしてる。




人を想うのって、

ここまで先が見えねぇんだなー。



今まで想われ人だった俺には理解不能。


それこそこれをAに言ったら

「嫌味？」って笑ってたりして。






「、、会いてぇなー」




想いが募れば募る程、

会いたい衝動に狩られる。



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