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特別な子 ページ43



見た事ないーーー眉が下がって、少しだけ釣った、大きな目には今にも涙が溢れ出しそうなーーーそんな表情のAが、じっと俺を見上げてて。


「………テク…
寂しい…寂しいよ…泣」


なんて。
聞いたことないか細い声で。


明らかに弱り切ったAが、
力なく俺にしがみ付いて来て。


その瞬間、
感じた事のない感情が…
身体の底から駆け上がって行くのが分かった。


「…どうした」


必死に声を絞り出してから、
こいつに腕を回していいのか…
少しの葛藤の末、初めてAを抱き締めた瞬間。


馬鹿みたいに心が震えたのを、
今も鮮明に覚えてる。


「…ぅぅ…みんな、に…
会いたい……泣
お母さん…に、会いたい…泣」


そうか、
こいつは泣かないんじゃなくて、
泣けなかったんだと、理解して。


今まで一人きりで寂しい夜を超えていたんだと思うと、胸が苦しくなった。


ポンポンと、背中を摩ってやる事しか出来ない自分が…不甲斐なくて辛い。


「……うぅう〜泣
ぅわ〜ん…!」


Aの涙で、Tシャツがじんわりと暖かくなるほどに、Aは号泣してる。
子どもみたいに、わんわんと大きな声で。


「…全部吐き出せばいいよ。
…俺がいるから…ずっと、ここにいるから」


こんなこと、俺のキャラじゃない。
分かってる。
そんなの自分がよく分かってるけど。


…側にいてやりたいって。
こいつが安心して泣ける場所になってやりたいって。
この瞬間、心から思った。




あの日から、
Aは俺の特別な子になった。

転がり落ちるようにAの事しか考えられなくなった。

今まで大好きだった(←)
キラキラした可愛い女の子たちよりも、
どんなにスタイルの良いセクシーな子たちよりも、

俺の1番はAになった。


いつだって明るくて、
向日葵みたいな笑顔で周りを和ませて。
だけど俺の前でしか素直になれない、
不器用な子。


どうしたら、俺の所に来てくれる?

いつになったら、俺の気持ちに気付く?


だけどそんな事、きっと微塵も考えていないだろうAは、いつだって俺じゃない誰かのもので。

それを側で見ているのは、こんなにも苦しいのに。

どうする事も出来ないなんて…
どんだけ臆病者なんだ、俺は。



分かってる。
伝えなきゃ伝わらないなんてこと。

だけど伝えて、
お前を困らせなくない。
お前を失いたくない。


そう思うのに…



それでも。




どう考えても、
俺はAが欲しい。



目覚まし時計→←俺のものじゃない彼女



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設定タグ:2PM , テギョン , 親友   
作品ジャンル:恋愛
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はるか(プロフ) - 初めまして。とても面白かったです。続きが見たいのでパスワード教えていただきたいです! (2022年12月13日 13時) (レス) @page45 id: c919f8f3dd (このIDを非表示/違反報告)
wanyantaro(プロフ) - はじめまして。続きが読みたいのでパスワード教えて下さい。 (2021年7月12日 0時) (レス) id: c0a66bd2e3 (このIDを非表示/違反報告)
alisassas(プロフ) - パスワードを教えていただきませんか!続き読みたいです! (2021年6月27日 2時) (レス) id: 79b1957f22 (このIDを非表示/違反報告)
麻樹子(プロフ) - パスワード教えて下さい。お願いします (2018年11月19日 17時) (レス) id: ce80ff39ee (このIDを非表示/違反報告)
Naishan(プロフ) - パスワード教えてください!続きが気になって気になって… (2018年3月29日 11時) (レス) id: 4ed97d097a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:m | 作成日時:2013年4月1日 18時

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