焦った後の失敗（正門/大晴,空野、誠也/大晴）4 ページ40
(大晴side)
こじけんと晶哉にフォローしてもらって
俺もAもなんとか通しを終わって、
Aも体調悪くなることもなかったし
ホッとした。
けど。
正門「大晴とA、着替えたら残って」
て言われて、急に思い出した。
今日は怒られることしかない。
狭いとこで着替えながら、
Aが『怒られる…？
怒られるやんな…？』って
泣きそうな顔で聞いてきて俺を見上げてくる。
『…イヤや…』
うるうるしながら、まだ何も怒られてへんのに
Aはお尻を両手で押さえてる。
『…たいちぇの言うたとおり、
プールは今日やないほうがよかった…
…「行きたい」て何回も言うてごめんなさい……』
大晴「Aだけのせいやない、
そんな何回も俺に謝らんといて。ごめんな」
先に着替え終わったAは、
近くにいた晶哉に縋ってる。
『…お兄ちゃん、おれ、怒られる〜…』
晶哉「知らんて。怒られとき。
またわがまま言うて大晴くん巻き込んだんやろ」
『おん。……でも〜…』
晶哉「何やの？」
『たすけてやぁ』
Aは晶哉の腕に縋ってるけど。
晶哉「助けられへんて」
楽屋戻ったら、
まっさんと、打合せのスタッフさん待ちの誠也くんと、
俺とA残してみんな帰ってった。
正門「A、もうどっか痛いとか
具合悪いとかない？」
『ない。もう大丈夫』
正門「ホンマに？ちょっとでも
調子悪いんやったら今日は帰って休んどき」
『全然もう大丈夫』
A、そういうとこ正直やねんなぁ。
“大丈夫やない”言うたら逃げられるとか
全然考えてへん。
正門「大晴は？」
大晴「え？」
正門「大丈夫そうなん？
たぶん軽い熱中症か脱水症状やん、さっきの。」
大晴「ああ…」
プール入って何も飲まんと走って
リハやってたら脱水気味にもなるよな…
って自分で思ってたら、
正門「プール入ったあと動くだけでも
しんどいのに、何も飲んでへんかったん？」
って聞かれた。
大晴「そう…やけど…」
正門「それで？今は大丈夫なん？」
本当は大丈夫でも
大丈夫やないって答えて帰ってしまいたいけど、
どうせそうしたとしても
明日怒られるだけで……。
次の日に延ばすほうが精神的にキツい。
大晴「今は大丈夫」
平然と答えてても俺は内心焦ってる。
まっさん落ち着いてるけど絶対怒ってる。
正門「絶対？明日ライブやで。無理してへんな？」
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作者名：めぐみ | 作成日時：2023年3月27日 15時
