002♀ ページ3
「どっか行っちゃうの？」
ベットに腰をかけ、私の髪を撫でるレイラ。
その声色は、何処と無く寂しそうだった。
「どうかな」
私は、とぼけた調子で、返答する。
プク…と、頬を膨らませたレイラは、顔を逸らして、
「……何処にも行かないでっ」
なんて、言うんだ。可愛いねぇ。
私は、彼女の頬に腕を伸ばした。
指先に彼女の熱を感じる。
「あんま可愛いこと言うなよ」
「……だってぇ、」
いじけているレイラに、私は言った。
「…“花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生さ”ってね」
「なぁに、それ」
「日本の言葉…らしい」
「諺？」
「さぁ。詳しくはしらないな。だけど、元々は､唐にいた于武陵という詩人が書いた漢詩なんだ」
私がそう言うと、レイラは不機嫌そうに結ばれた唇を、少しばかり緩めてくれた。
彼女の額にキスを落とし、私は体を起こす。
「“咲き誇る桜の花が嵐で散るように､人生には出会いがあれば別れもある”という意味らしい」
これを教えてくれた女は、とっくの昔に死んじまった。
ラヴィーナ……イイ女だったんだけどなぁ。子持ちだが。
「……つまりだな。出会っちまったなら、いつかは別れが来るんだよ」
「そんなんじゃ、納得できない」
「レイラ」
見れば、彼女はうっすらと涙を浮かべていた。
「そんなに惚れちゃった？」
「うん…」
私が聞くと、彼女は私をぎゅっと抱き締めた。
少し苦しいけど、レディだから許す。
彼女は言った。
「……長い足に細い腰、ふくよかな胸」
レイラの青い瞳が、私を見つめる。
足に触れていた手が、だんだんと上へと這いずり回り、やがて私の頬に触れた。
「薄い唇…、強い眼差し、綺麗な黒髪……。全部、全部好きよ」
「私も」
グイっと、ベットに押し倒された。
私は、笑う。
「じゃぁ……もう一回だけ、私の名を呼べよ」
レイラも、ニコリと笑った。
彼女の唇の間から、漏れる言葉。
「……A…」
レイラが顔を近付ける。
私は、目を瞑った。
…………ｸﾞﾁｬ!!!
まだ生暖かい、粘着性の強いドロドロしたものが、私の顔を汚す。
血だ。
「……“称呼死滅病”。発病さ」
かわいそうに。マフィアの娘じゃなかったら、もっと良い出会いが出来たのにな。
「ごめんなぁ。綺麗な花ほど、枯らしたくなるもんだからさ…人間ってのは」
私は、冷たい瞳で、ボソリと、呟いた。
彼女が強いと言った瞳に、希望の光なんてない。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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紅うさぎ(プロフ) - 二次元は俺の宝さん» さすがだなんて、嬉しいです！ありがとうございます(*´∀`)♪ (2014年11月7日 22時) (携帯から) (
レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
二次元は俺の宝 - さすが紅うさぎさん！今回の作品もすごく面白いですね！更新楽しみにしてます（≧∇≦） (2014年11月7日 19時) (レス) id: dae2b2fc1c (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - ウミネコさん» いつもありがとうございます！頑張りますね！！ (2014年11月2日 18時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
ウミネコ - ようやく原作のところまでいきましたねー。 続き楽しみです！更新頑張ってください！ (2014年11月2日 13時) (レス) id: f9607c9563 (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - セシルさん» ありがとうございます！頑張りまーすΣo(｀^´*) (2014年11月1日 16時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅うさぎ
| 作成日時：2014年10月21日 22時
