ウワサのアノ娘 ページ6
「また会いたいな……」
「またあの娘の話かい？」
「ダイゴ……。嗚呼、彼女は凄いんだ。
なんたって＿＿」
「しなやかな動きでロケット団を一掃。その動きはまるで“りゅうのまい”。しかし変わって攻撃は強烈な“げきりん”。フードの隙間から覗く白い髪は“ほしのすな”が散りばめられたかのように美しい。ポケモンとの息もピッタリで＿＿＿」
「ポケモンを出していたなんて言ってないぞ。」
「え？じゃあどうやってロケット団を……」
「1人でポケモンに挑むあの姿………。湖のミロカロスのようだったな。」
先程からワタル、ダイゴの2大チャンピオン(片方は“元”)が話しているのはとある女性の話。
だがその姿を見た事あるのはワタルだけ。
ダイゴは何度もその話を聞いているだけだった。
だがワタルからの衝撃の一言でダイゴは“かみなり”をくらったかのような衝撃が走った。
その一方でワタルは頬を赤く染め恋する乙女のようだった。
「危険じゃないか！！ポケモン無しで戦っていた！？しかも女性だろ！？ありえない！！」
「凄いだろ？本当に素晴らしい……。」
あぁ。もうコイツは駄目だ。
ダイゴは心の中で諦める。
ここまでオチてしまえばどうしようもない。
しかし、そんなダイゴの心を一気に変える一言をワタルが発した。
「彼女の首にかかっていた指輪。埋め込まれている宝石が彼女をより一層美しく魅せていたな……。だがあの宝石……見たことのない光り方をしていたな。」
「見たことのない光り方の宝石……！？」
宝石。つまりは石である。
このワードに反応した理由は、ダイゴが「珍しい石のためなら滝だって登っていくよ」と言う程の石マニア。自称:さすらいの石集めだからだ。
突然荷物をまとめ出したダイゴに驚くワタル。
そして数秒後に自分の言ったことを思い出し察する。
「その娘を最後に見たのは何時だい？どんな見た目をしてるの？生息地は？名前は？」
焦りすぎておかしな質問まで混ざっている。
だがそれはそれほどまでに“彼女”に会いたくなった証拠だ。
「お、落ち着け………。最後に見たのはずっと前だ。ロケット団アジトでな。見た目はさっき言ったように黒いパーカーでフードをつけていて首からは宝石の埋め込まれた指輪をかけていた。白髪で綺麗な顔をしていたよ。
名前は分からない。だがロケット団達はこういっていた。＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿『白影』とな。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：王子 | 作成日時：2021年5月18日 7時
