生まれ変わっても忠誠心は変わらない【カントー・ジョウトにて＿＿】 (ページ12)

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マツバという男ページ12

「キミ、『白影』だろ？ロケット団をやっつけてるっていう。
キミの事は知ってるよ。カントーとジョウトのジムリーダーの間じゃ結構有名だからね。」

何故こんなことになってしまったのだろうか。
変な通り名を付けられてただでさえ嫌なのにそれがジムリーダーまで広がった？
というかジムリーダーの間じゃ有名って事はまさか………

「おっと、自己紹介が遅れたね。
僕はマツバ。ここエンジュシティのジムリーダーをしているんだ。」

最っ悪だ。
できるだけポケモンバトル関係の奴らとは関わらないようにしてきたのに……。
一体どこから情報が……。

「黒パーカー。今日はフードはしていないみたいだけど、ほしのすなが散りばめられたような美しい白い髪。青い瞳。
青メッシュなのは聞いてないけどフード付けてたなら見えなかったんだろうね。

うん、チャンピオンが言っていた特徴はほとんど一致してる。
やっぱりキミが『白影』で間違いなさそうだね。」

「チャンピオン？」

「うん。チャンピオンのワタル。知らない？」

「………………まさかソイツは赤髪でマントの………」

「そう、その人！！」

お土産屋の地下のロケット団アジトに乗り込んだ時のアイツか………。
確かに強いとは思ったがぁ！！
畜生！よりによってチャンピオンかよ！！
余計な気ぃ使わないでさっさと奥の幹部倒せばよかった！！

「あ、ワタルさん？例の彼女見つけましたよ。」

「あってめっ、ふざけんな！！」

コイツいつの間にポケギアで連絡を取ってやがる！！
急いで通話停止ボタン押そうとしたが一足遅かったようで「今すぐそっちに向かう！！」と爆音で聞こえてしまった。

「さて、ここで僕とワタルさんを待ってようね。」

ニコニコの笑顔で俺の手首を掴んで言った。

チャンピオンと会えるなんて言われれば一般人は飛んで喜ぶだろうが俺からすれば死刑宣告。
ならば答えは一択。

「断る。」

掴まれてる手を普通に外そうとしたがコイツ見た目の割には力強ぇな！！

「おーいマツバくーん！！」

カイリューに乗ってこちらに向かってくるワタル。
おいおいおいおいいくらなんでも早すぎだろ！？
ポケモンバトル関係のヤツらとは関わりたくないって言ったじゃん！！

急いで逃げなければ………。