エンジュシティ ページ11
現在地:エンジュシティ
この町は前世で言う京都に似ていて、街を見渡せば10代目達の並盛中卒業記念に行った日本一周旅行での記憶が蘇る。
リボーンさんの粋な計らいで京子とハルとクロームとイーピンが着物で観光。俺も着ろとリボーンさんに圧をかけられたが全力で断った。
京都の町を歩いたり神社や寺を回ったりと本当に俺らマフィアか？ってくらい観光を楽しんだ。
京子達は着物ということで多くの外国人に写真を撮っていいかと頼まれていたので、英語で対応出来る俺と隼人が全て断る。
だってマフィアのボスの妻と愛人(候補)達だぞ？無闇に写真を撮られてSNSにあげられては困る。
そしてここ、エンジュシティに来た目的は他でもない。
京都に似てるならあんみつとかあるかな〜っていう超単純な甘党らしい理由である。
この街の雰囲気は悪くない。寧ろ俺好みだ。
静かで自然の音が綺麗に聞こえる。そして三味線や琴の音が綺麗に混ざりあっていてかなり好きだ。
でも風景はあまり楽しみたくないなぁ〜。空を飛んでるポケモン達が俺の思い出に浸る時間を遮ってくるので。
俺は茶屋の壁と向き合って団子を頬張った。
素敵な壁ですねー(棒)
「せっかくエンジュに来たのにあの塔に背を向けるなんて勿体ないね。」
横からヘアバンドを付けた男に話しかけられた。
なんだこの男は。何故俺に話しかけてきたんだ……。
「あらマツバさん！そのお嬢さんと知り合い？」
「うんそうなんだ。この団子代は僕が払うから彼女借りるね！」
「はいまいど。うふふ、デート楽しんできてね〜♪」
おいおい待て茶屋のおばちゃん、俺このヘアバンド男と初対面だぞ！？
何勝手に2人でいいように話進めてるんだ！！俺次は抹茶パフェ探しに行く予定だったのに！！
しかも何だよデートって！！
コイツもだ！！頼んでねぇのに団子代払って俺を逃げられなくしたなクソっ！！
俺はヘアバンド男に手を引かれ“やけたとう”の方へ連れていかれた。
そこに着いたら着いたで聞いてもいないのに歴史を語り出す。
だからんな事頼んでねぇって。
そして漸く歴史語りが終わり最後に何か質問はないかと聞いてきたので無いと言ってちゃっちゃと茶屋の通りに戻ろうとしたら腕を捕まれこう言われた
「キミ、『白影』だろ？ロケット団をやっつけてるっていう。
キミの事は知ってるよ。カントーとジョウトのジムリーダーの間じゃ結構有名だからね。」
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作者名：王子 | 作成日時：2021年5月18日 7時
