5話 ページ5
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「…」
婚約者に渡されたのは金と家だけ。
メイドも執事もばどきょーによる厳選の元Aに危害を加えない者が集まっている。
家周りは質素で、週に1回で行く城の庭はとても綺麗だ。
「…あの、街に出てみたいのですがよろしいでしょうか？」
メイド「可能です。行ってらっしゃいませ。」
ただの契約結婚。
護衛はいない。
Aにとってこれほど幸運な事は無い。
街には何度か行ったことはあった。
店主「お嬢ちゃん！1本どうだい？」
「あ…！いただきます！」
金を支払い串焼きを手に取る。
食べ方も、払い方も全部全部あの方に教えてもらったもの。
今となれば忘れられた記憶の奥底。
女の子「わあ…！お姫様みたい！ねぇっ、お姫様のお話聞きたいなぁ。」
「…いいよ！じゃあちょっと悲しいお話知ってるからその話をしよう。」
女の子「お姫様の悲しいお話…？お姫様なのに？」
「お姫様でも悲しい感情はあるものだよ。とある子供がカッコイイお兄さんと小さい時から遊んでいました…その子たちは幼馴染と言える仲で毎日毎日遊んでいました＿＿＿＿」
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ある時、お兄さんが家に帰らなくなってお隣さんにお兄さんはどこに行ってしまったのか何度も聞きましたが、
『うちに子供はいない。』
『どこか別の家の子だろう。』
と言って話を聞いてくれませんでした。
忘れることの無いお兄さんの顔。
肌に触れたあの感覚。
現実ははずなのに、と何度も何度も…。
女の子「可哀想…その子それでどうしたの…？」
「お兄さんを探しに大きな国に来たんだよ。大きくなったその子はやっとお兄さんと再会する事が出来たんだ。」
女の子「ほんと！！？その子よかったねぇ〜！」
「…しかし、お兄さんはその子の事など忘れていました。その子は悲しい思いをして泣きながら故郷に帰っていきました…。」
女の子「なんで！何でお兄さん覚えてないの！可哀想じゃない！ねぇね、続きは…？」
「ごめんね、僕続きはよく知らないんだ。この話の続き見つけられたらまた会えた時にお話するよ。」
女の子「僕…？」
女の子を背に、重そうなドレスの裾を持ち上げて駆け足で海岸へ進んでいく。
「っはぁｯ……綺麗な海だ。」
お兄さんと一緒に見た海みたい。
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乾(プロフ) - そらさん» コメント誠にありがとうございます。そう言って下さってモチベに繋がります…！そろそろ停滞してくる頃なんですが、完走出来るよう頑張りますね！ (2022年7月16日 11時) (
レス) id: 1cb24a78b9 (このIDを非表示/違反報告)
そら - 文章とか人の感情とかがすごい伝わってきてめっちゃ好きです！これからも投稿頑張って下さい！ (2022年7月15日 13時) (レス) @page16 id: 95e75249fc (このIDを非表示/違反報告)
乾(プロフ) - はるさん» コメント誠にありがとうございます。ﾜｰ!!ありがとうございます!!この男主君の運命はもう最後まで決まってるんですが今後とも見て頂けると幸いです! (2022年7月13日 22時) (レス) id: 1cb24a78b9 (このIDを非表示/違反報告)
はる - うぁぁ（号泣）好きです…何もかも好きです…切ない… (2022年7月13日 0時) (レス) @page14 id: 5cf767bfde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乾
| 作成日時：2022年7月3日 23時
