音と風の物語【Ｊuｎ.Ｍ】 (ページ3)

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＃３．悪態ページ3

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路地裏を歩いていたら

急に飛び出してきた男性にぶつかって
派手に転んだ。

いったぁ、

もう、なんなの！

ちゃんと前見てよね！！

そう言いたい気持ちをぐっとこらえて

「大丈夫？」と差し出された手を取ろうとした。

けど

視界の隅には落としたトートの中身が
道路に散っているのが映って

『あ、あ、楽譜、、、』

差し伸べられた手を取るよりも

風で飛んでいきそうな楽譜をひろわなきゃ、って

道を這うようにその中身をかき集める。

雅「ごめ、手伝うよ。」

『・・・と、当然ですっ！』

雅「！っ、はいっ！！」

し、しまった、

いら立ちから思わず悪態ついたのに

慌てた様子ではいっ！なんて言うから

この人、きっといい人だ、って

言った先から申し訳なく思えた。

雅「。。。楽譜。

大事なものだよね。本当にごめんなさい。」

かき集めた楽譜を

漏れがないか確認しながら並べる私に

男性がもう一度謝ってきた。

チラッと横を見ると
深々と頭を下げて

しゅんとしてるのがわかる。

ふふっ、なんかこの人憎めないや。

『・・・よし。全部あった。

大丈夫、怒ってないですから、』

整えた楽譜を鞄に詰め込んで、
彼の方に向き合ったら

・・・・

あれ、

私、この人、、、知ってる。。。？

雅「そう、よかった！

よかったら送るよ、家どこ？」

笑顔でもう一度手を差し伸べて

地面に座ったままだった私を優しく引き上げてくれる。

・・・え、、っと、

うそ、じゃ、ないよね？？？

雅「あ、来た来た！！
おーい、ここここ！！」

ぶんぶんと大きく手を振って

ハザードを出すタクシーに合図をする。

空いた扉に滑り込むように乗ったその人は

雅「ほら、乗って？
その荷物じゃ大変でしょ？」

って笑顔で私を招き入れるけど

いやっ、あなた、、、

『相葉、雅紀、、、』

思わずフルネームで呼び捨てで
すごく失礼ないい方しちゃったのに

雅「あ、ばれた？」

なんて笑ってる。

いくら私でも知ってるよ、

クラシックバカだけど

今を時めく国民的アイドルくらい

知ってるんだから。

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