音と風の物語【Ｊuｎ.Ｍ】 (ページ20)

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＃２０．私の名前ページ20

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「あれっ、え？っと、」

そう呼びかけられて
思わず振り向いたそこには、

「やっぱり！！」

ニコニコと太陽のような笑顔で立つ
相葉さんがいた。

『あっ、こんにちは、』

会うであろうことはわかってたけど
こうやって話をすると思ってなかったから

ちょっとびっくりしてしまって声がうわずってしまう。

雅「なんでー？バックバンドの人だったの？」

『はい、今回初めてお声かけいただいて。』

「この間会ったとき、言ってくれたらよかったじゃーん！」

『まさかこんなに近くでお会いできると思ってなかったから、、、』

「ふふ、そうなんだ。

…あー、、、」

相葉さんは、ふっと笑ったかと思ったら

急に私の手元を見て切なそうな表情になった。

『？』

「楽器、、、」

『え？』

すっと手を伸ばし、私が手にしていたトランペットに触れた相葉さんは

「この間はごめんね？」

って

私にじゃなくて

楽器に、謝った。

この人、、、

なんて、優しいんだろう。

『・・・大丈夫。』

思わず、口にした私の言葉に

相葉さんは「ん？」って、柔らかい笑顔を浮かべながら顔を上げた。

目が合ったらドキンとしちゃって

急に恥ずかしくなっちゃう。

『///・・・って、言ってます。』

「・・・ぷッ、楽器が？」

『っ、そ、そう、楽器が！///』

あぁもう、私何変なこと口走ってるの！

「ふ、ははっ、それならよかった！！」

赤面してる私をよそに

楽しそうにケラケラ笑う相葉さんに

私もなんだかつられちゃって

一緒に笑ってしまった。

「やっぱり、Aちゃんっておもしろい。」

「おーい、相葉ちゃん！」

向こうで相葉さんを呼ぶ声がして

「あ、またあとでね？
今日は長くなるけどよろしく！」

あわててそう言った相葉さんは

ひらりと手を上げて向こうへ行ってしまった。

って、私の名前、、、

今、私の名前呼んだよね？

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