音と風の物語【Ｊuｎ.Ｍ】 (ページ14)

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＃１４．病は気からページ14

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病は気からって、言うじゃない？

点滴して
少し休んだら

なんとか熱も少し引いて。

これならって夜は演奏の仕事に出た。

レストランでの演奏だから

ちょっぴりメロウな曲が多かった分

そんなに負担はなくて。

『お疲れ様でした！』

思ったよりいつもと近い感覚で仕事を終えて

いつもどおり店を出たものの、

やっぱり気を張ってたんだろう、
お店を出たとたん

寒気がぶり返して体のだるさを感じた。

早く帰ろう。。。

急ぎ足で

駅に向かう。

「あれっ、あの時の、、、」

ふいに後ろから声がして

振り向いたら

「ほらやっぱり！！」

まさかの、相葉さんが、立っていた。

びっくり。。。

こんな街中で会うとかありえる？

言葉を失っていると

「この間はごめんね？ケガは大丈夫？」

『あっ、、あんなの大したことないから。
こちらこそ送ってもらってありがとうございました。』

まさか会えるなんて思わないから

あの時のお礼を改めて伝えることができるなんて考えてなくて

相葉さんの言葉に

あわてて頭を下げた。

あっ・・・

急に頭を下げたら
ふらッとする。

「っ！？大丈夫？」

『だ、大丈夫です、ちょっとふらついただけで。』

足を一歩踏み出しちゃうような感じにふらついたら

目の前にいた相葉さんが

スッと手を差し出して支えてくれた。

「ってか、その傷、、、もしかして、この間の？」

相葉さんの視線は

私の担いでいた楽器に注がれている。

この間ぶつかったときに楽器も歩道に投げ出されて

大きな擦り傷が付いていたから

それが目についたようだ。

「派手にこけさせちゃったもんなー、
傷も派手に入っちゃうよね？」

『あー・・・もともと古いケースだったし、中身が大丈夫だったから
こんな傷気にしませんよ。』

申し訳なさそうな表情でそういう相葉さんに

否定するのもなんだし。。。と、正直に答えた。

むしろこんなことでもないと

ケースを買い替えるきっかけなんてないもん。

本当に気になんて、してなかったけど

私の言葉を聞いて、相葉さんは一瞬考えた様子であごに手を置くと

すぐにパッ、と顔を上げた。

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