ユメノヒト (ページ7)

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太輔今日は何してんの?
A入学式に行ってきたよ!
太輔入学おめでとう!スーツ気になる
A普通だよ笑人が多くてびっくり

桜が舞う入学式

あれ以来会っていない太輔くんはよく連絡をくれた。

お母さんは仕事があるみたいで一人暮らしを始める私を心配しながらも別れて、1人でゆっくり学校の周りを歩く。

男「あのーよかったら一緒にお茶とかしませんか？」

全然知らないけど同じ大学生であろう人に声をかけられる

そういえばさっきも若い男の人に声かけられた

「えっ、あの私急いでて」

適当に嘘をついてみるけどなかなかしぶとくて

男「30分くらいいいじゃん」

どんどん馴れ馴れしくなるし距離も近いからちょっと怖い

「ほんとに無理なんで！」

掴まれた手を離してもらおうとするけど力が強くて離れなくてどんどん怖くなってきた

太「A！」

かっこいい黒の車からサングラスとハットをかぶって顔を出したのは、紛れもなくさっきまで連絡を取ってたあの人で

「え！？」

太「離してもらえます？」

車から出てきてドスの効いた声で男の人を見る

男「あっすんません」

そそくさと帰っていった男の人

「なんで...いるの？」

非日常的な存在に驚いて動けないわたし

太「撮影あって休憩２時間あってさ

大学近かったからお祝いにと思って

..ごめんバレるとやばいから車入ってもらってい？」

太輔くんと同じいい香りのする車内に乗り込み

少し人気のない住宅街に移動をした

太「ん、入学おめでとう」

後部座席からピンクと白の綺麗な花束を取り出して

王子様みたいに私に手渡す太輔くん

「ありがとう...!!!」

もしかしたら、ほんとうに私の王子様になってくれるのかもなんてバカな私は少し思ってしまう

.

でも、

太「入学式祝に来るって、妹出来たみたいでいいな！」

.

彼のその優しい言葉が私の目の前に壁ができた瞬間だった