6.癒えない傷 ページ7
「ありがとう」
そう言えば光ちゃんは
他は?と
「……自分で塗る……」
光「……いいから。」
「……はぁ。」
上のTシャツを捲ろうとしたら
焦った声がした
光「ちょ、おまっ//」
「……塗ってくれるんでしょ?」
夜はブラしないから後ろを向いてTシャツを胸下まで上げた
脇腹から腰
大きな火傷
幸いだいぶよくなった
光「ッ」
光ちゃんの息を呑む音
「……やっぱり自分でやる。ありがとうね。あと、、変なん見せた、ごめん」
捲ったTシャツを下ろし立ち上がったら
抱きしめられた
腰に巻き付く腕
つむじを見つけた
猫っ毛な髪
わしゃわしゃ撫でればグリグリお腹に顔を埋めてきた
可愛いなぁ
「……大丈夫だから。」
優しく髪を撫で言えば
泣きそうな顔で見てきた
光「……痛いだろ。。」
それは心が痛いんだろと言わんばかりに見透かされたようで
あの日を思い出し涙がでそうだった
「……ッ……だいじ、ょぶ……」
燃える家
燃える人影
紅く
熱く
苦しくて
もがいた人影を必死に引っ張った
熱くても引っ張った
自分も燃えてる
もがいた人影は次第に赤に呑み込まれた
聞こえた
「Aあいしてる。にげて」
必死に燃える服を脱いで
2階から飛び降りた
外も紅く空は黒煙が舞っていた
隣の古民家は長年住んでない
うちと古民家が全部燃えていた
高二の9月だった
母と2人で暮らした家は
跡形もなく消えた
外に出た私を救急隊が運んだ
大火傷で全治は何時になるか分からなかった
ニュースになった
放火魔事件
犯人が捕まったらしい
マスコミが押しかけた
___________
_______
はぁはぁ、、息が苦しい
あの日の
記憶が蘇る
光「……ッA!大丈夫だ。大丈夫だからっ!!」
泣きそうな声がした
いつの間にか意識を手放した
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作者名:椎名りら | 作成日時:2023年12月25日 15時