人魚と黒�機撻札虱優螢�：人魚姫】 ページ1
酷い嵐の夜だった。私が彼の人を助けたのは。
「A、出掛けるの？気を付けてね。最近、人魚の中で行方不明者がいるみたい」
「解りました、御母様」
太陽の光がきらきらと流れ込んで来る海の中を泳ぐ。何処までも続く広大な空間は、宇宙、或いは異次元に似ている。
.
泳ぎなら、広い海のどんな魚にも負けない人魚でも流されて仕舞う潮流。ぼろぼろに砕けた船の近くで、彼の人だけが生きていた。
助けたい。雷鳴が響く中、思った。
浜辺に運ぶと女性がやって来るのが見えたから海の底へ潜った。其の直後、
「ん……貴女は一体」
「御目覚めですか？昨晩の嵐で、浜に打ち上げられたのでしょう。私が貴方を介抱して差し上げました」
「そうですか。有り難う」
何て声が聞こえた。
――そんなのって。
.
泳いで着いたのは、薄暗い建物。
「Aと云ったかい。人間の脚を与える代わりに、御前の其の美しい声を貰うよ。其れと……其の王子とやらが他の女と結婚し、愛の誓いを立てた瞬間、御前の躰は海の泡となって消滅する。善いね？」
黒い
結局の処、一目惚れだったのだろう。
.
気が付いたとき、私は、白い簡素なドレスを着て浜で倒れていた。
「……やっと起きた。どれだけ寝てるのかと思ったよ」
脚を組んで近くの岩に腰かけていたのは、茶色い蓬髪に、端正な顔立ちの男性。
此の前の、王子だ。
「嵐の時も勝手に助けるし……あのまま死ねると思ったのに」
不満そうに唇を尖らせる彼。――知ってたんだ。
「君、家は？」
家……か。今戻ったら確実に溺れ死んでジ・エンドだろう。
何其の糞みたいなエンド。私は首を横に振る。
「……そう。じゃ、ついておいで」
岩から降りて歩き出す彼。
気ままなところが猫みたいだ。
……え？と云うか、「ついておいで」って……
城にですか？
いきなりですか？
……ばくばくと五月蝿い心臓が持つだろうか。
歩くのが彼の後ろで善かった。
真っ赤な顔をしながら、そう思った。
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夕野きする(プロフ) - 赤珠（元 チョコうさ。）さん» ありがとうございます！ただいま帰還いたしました。 (2018年4月9日 21時) (
レス) id: d7453fd818 (このIDを非表示/違反報告)
夕野きする(プロフ) - −322さん» ありがとうございます！お待たせしてしまい申し訳ありません。残り少しですが、お付き合いくださいませ。 (2018年4月9日 20時) (レス) id: d7453fd818 (このIDを非表示/違反報告)
夕野きする(プロフ) - セラさん» ありがとうございます！無事合格できました。 (2018年4月9日 20時) (レス) id: d7453fd818 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠（元 チョコうさ。）(プロフ) - お帰りなさああああああい！！！ (2018年3月11日 18時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
−322(プロフ) - すごい素敵なお話ありがとうございます！！！次の更新楽しみにしています！！受験が上手くいくことを願ってます (2018年1月14日 0時) (レス) id: 0033b212c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃生このか | 作者ホームページ：http://http://commu.nosv.org/p/asubook/
作成日時：2017年10月20日 18時
