その音柱、誘拐犯。【宇髄天元】

拾肆 ページ15

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カタン



今日も仕事を終え、自室で深い夢の中にいる時に聞こえたその音にふと目が覚める。





『…誰か、いる……？』




真っ暗な部屋で何も見えないけれど、
確実にナニカの気配を感じてそう声を掛けた。




｢ええ、いるわよ。｣


『その声…もしかして蕨姫花魁……？』


「その通り。あんたも中々良い顔してるから、ね。」






良い顔…？

蕨姫花魁は、何言って…。






そう思った瞬間、身体が動かなくなった。
何かに縛られていて、全く動かないのだ。



でもこの感触は、身に覚えのある…。

なんだろう…？




帯…のような…。









「あんたはとりあえず、まだ喰わないであげる」






花魁のその言葉を最後に、私の意識は途切れた。









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