おねがいだから失わせて【wrwrd】 (ページ20)

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昼食を食べ終え、特にすることもないので、ゾムさんと談笑していると、とてつもない大声量で「お前らー！！」と怒り狂った声が聞こえた。ギョッとしながら、声のした方を向くと、負のオーラを体中に纏ったロボロ君の姿が。
心做しか顔に付けている雑面の"天"の文字は釣り上がり、怒っているような表情だった。…もしかしなくてもこの状況はヤバいのではないだろうか。思わず私はヒヤリとした汗がポタリと垂れた。

コネシマさんもヤバいと感じたのか私の方をジッと見て「どないしよか」と顔で訴えかけてくる。私が無言で首を振り「分かりません」と彼に必死に抗議する。

その間にも、ロボロ君はどんどん私の方に近付いて来て、遂に私の目の前に威圧を放ちながら、仁王立ちをした。あまりの威圧に私は少し声が震えながらも

「え、えっと…その、ロボロ君…ゴメンね。先に行っちゃって」

と手を合わせ謝罪をするが、ロボロ君の不機嫌な雰囲気は消えることなく。しかし、彼はその雰囲気に見合わない程の明るい声で

「ちょっと、ついてきてや。話したい事あんねん」

と告げた。…どうしよう。ホントに怖い。ゾムさんの方に顔を向け、助けを求めるものの、彼は口笛を吹きながらそっぽを向く。…何て薄情な人なんだ。少しぐらい擁護してくれてもいいじゃないか。

次に私はコネシマさんの方を向く。コネシマさんはショッピ君に何か話しかけており、何か話し終えた後、私の方を向いて

「ちょ、ちょっとショッピを教室に送ってくわ。ホンマ先輩は大変やわー。」

と言って、ショッピ君と共にこの場から去っていく。貴方も薄情な人間なのか…。私は数分の内に絶望の淵に追い込まれてしまった。

ロボロ君は痺れを切らしたのか、私の腕をグイッと引っ張り、ほら、はよ行こうやと私を急かす。ここは、腹を括ろう。そう、決心した私は黙ってロボロ君について行った。

一体何を言われるのだろうか矢張り罵倒？いや、不満を言われるのかもしれない。でも、ロボロ君を置いていってしまった私も悪いわけで…ロボロ君が怒るのはかなり真っ当だから…

と思っていると彼は人通りのない校舎裏で突然足を止めた。その瞬間、彼は強い勢いでガバっと私に抱き着いてくる。そして、とてもか細い声で

「お願いやから…俺の事置いてかんで。…一人にせんとって」

と、私の肩をジワジワと濡らしながら言った。