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結弦「あれ、どこ行ってたの?」
(人2)「…ちょっと更衣室に。」
結弦「コーチが呼んでたよ。」
(人2)「ほんと?急がなきゃ!」
結弦「あ、ちょっと待って!」
ー…グイッ
突然羽生くんがわたしの腕を掴む。
結弦「腕、怪我してる。」
(人2)「えっ?」
さっきので壁にぶつかったときかな。
結弦「だいぶ腫れてるよ」
(人2)「大丈夫だよこれくらい」
結弦「よくない、ちょっときて。」
わたしは無理矢理医務室へ連れて行かれた。
結弦「先生いないか〜…」
そう言いながらタオルと保冷剤を探し回る。
結弦「あった、これでも当ててればすぐ良くなるよ。」
(人2)「ありがと、」
結弦「なんかあった?」
(人2)「なにもないよ、」
嘘ついた。
羽生くんには、知られたくない。
こんな大事な試合前に話せない。
結弦「何かあったらすぐ俺に言ってね?」
そう言って羽生くんは保冷剤をタオルに巻いて
わたしの腕に当てた。
(人2)「わたし、羽生くんみたいに弱くないもん」
結弦「男で弱いってどうなのよ(笑)」
羽生くんはケラケラと笑っている。
ごめん、わたし強がってるけど強くないんだ。
でも、今はまだ言わない。
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作者名:いつみ | 作成日時:2019年7月9日 10時