肆拾捌 ページ49
何故毎回、いつの間にか後ろに居るの!?
…この展開前もなかった!?
「こんなところにいたんだ。僕、任務に行ってくるから。」
わざわざこれを伝えるために来てくれたのだろうか。
なんだか心が暖かくなる気がした。
「えっ、!あっ、うん、そっか。やっぱり時透くんは忙しいんだね。が、頑張ってね!」
そう言う時透くんは、昨日も任務に行っていたし、さっきも任務に行っていたはずだ。やはり柱様は忙しい。また体を壊さないといいけど…
…一緒に居たい、なんて我儘なことを言ったら、迷惑かけるだけだよね。
心配をかけないよう、口角を精一杯引き上げる。
「…もしかして、寂しいの?」
「…っ!」
図星を突いてくる時透くん。瞳が揺れる。
「え、え、な、なんでわかったの?」
「……顔に全部書いてあった。」
頬が少し赤みを帯び、少し視線を落とす。
「…すぐ戻るから。」
膝を折り、下から私の顔を覗き込む彼。めずらしく柔らかい笑顔を見せる時透くんに、鼓動がはやくなる。
「…うんっ。頑張って。でも無理はしないでね。」
と、念を押すと、
立ち上がって私の頭に手を置く時透くん。
「Aじゃないんだから、わかってるよ。」
「ふふっ、そっか。」
私の頭を一撫でし、時透くんは任務へと出掛けた。
本当に、あの人はどれだけ私の心を振り回したら気が済むのだろうか。
うるさくなる心の臓に、自分の両手を重ねた。
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美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません!!教えて下さって本当にありがとうございます…!へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…!本当にありがとうございます! (5月6日 9時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年2月28日 23時