肆拾肆 ページ45
「す、すみません!俺の同期でして…」
彼らの会話を笑ってしまわないように必死に我慢しながら、必死に頭を下げる竈門くんの言葉に返事をする。
「い、いっいのいいの。す、凄く個性的なお友達っね。ふふっ、いいと、思うわっ!」
なんとか笑いのピークは過ぎ、早速竈門くんに何故会おうと思ったのかを質問することにした。
すると、竈門くんは、「あ!、そうでしたね!」と言い、話を続けた。
「先日は、本当に有難うございました!Aさんのおかげで、禰豆子は…!その、命までかけてくださっているなんて、俺…」
「ああ、そのことね!いいんだよ!竈門くん。私がやりたくてやってるだけだし!」
「いえいえ、本当に本当に、感謝してもしきれないです。お怪我まで…」
竈門君くんの目は真っ直ぐ私を捉えている。
こんなに謝られると、なんだか申し訳なくなってくる。
「本当に大丈夫だよ!このくらいすぐ治るよっ!こう見えて、一応甲だしね!」
「Aさん…!」
出来るだけ竈門くんの罪悪感を取り除けるよう、笑顔で接し、私が大丈夫だ、と言うと顔を輝かせる竈門くん。
太陽のような竈門くんに、心が暖かくなる。
「え!?、何々!?俺、話についていけないんだけど!?」
目を大きく見開く善逸くんは非常に混乱している様子。
「ああ、えーと、善逸くんは気にしなくていいよ!」
「えええ!?何それ気になる…でも俺のこと善逸くんって呼んでくれましたね!?いやぁぁぁあ!嬉しいいいいいい!」
「…えっと、あはは、そうだね!」
…あは、私は何も聞いていないですよ?
善逸くんのことは置いておいて、隣のベッドに横になっている猪の頭をした子が、全く言葉を発さないことが気になる。寝ている気配はしないのだけれど…
すると、私がずっと猪の少年を見ていたからか、竈門くんが私の中の疑問を解決してくれた。
「ああ、その人は嘴平伊之助っていって、伊之助も俺の同期なんです!先日の戦いで喉が潰れてしまっていて…」
そうだったのか、と首を縦にふる。
「大変だったんだね。任務お疲れ様。はやく良くなるように頑張ろうね!」
なんか嘴平くん、ほわほわしてる?
もしかしたら、迷惑かもしれないなー、なんて思いながらも、無性に頭を撫でたくなり、嘴平くんの頭に手を伸ばした。
が、その手はの頭には届かなかった。
え、なんで?
「…何、してるの。」
隣から、愛する人の声が聞こえた。
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美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません!!教えて下さって本当にありがとうございます…!へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…!本当にありがとうございます! (5月6日 9時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年2月28日 23時