肆拾 ページ41
嗚呼、ようやく想いを伝えられた。
いつもは、私ばかりが赤くなっているけれど、時透くんの頬も、少しばかり色づいているように見える。
そんな表情も格好良い。
「…でも、まさか僕を幻覚と見間違えてうっかり告白しちゃうとか、やっぱり馬鹿だね。」
「な、なっ!?おおお、思い出させないでよ!」
い、今それ言う!?
もともと赤く染まった顔が、さらに赤くなる。
「あと、時透くんそろそろ降りませんか。」
「無理。」
即答する時透くん。
「私の心臓が持たないんですけど!
それに、しのぶちゃんがこっちに来る気配がするのは私だけなの!?」
「………あー、もう、うるさいなあ。」
と言いながら、渋々上から降りてくれる時透くん。
「ありがとう時透くん!」
「別に。」
すると、扉を叩く音がする。
「Aさーん、起きていらっしゃいますよね。
時透くんとのイチャイチャは終わりましたか?」
声は女神なのに、発言内容が恐ろしすぎる。
「いっ、いちゃ!?」
「はいはい、とにかく入りますよ。」
ご飯と体温計らしきものを持って入ってきたしのぶちゃん。
「Aさん、ちゃっかり何もなかったことにしようとして居るかもしれませんが、また怪我をしたこと、私は怒っていますからね。」
怖い。完全に笑顔が笑顔の役割を果たしていない。
「僕も、それについては…蟲柱さんと同じく。」
「時透くん、私の名前は胡蝶です。」
「ああ、そうだった。胡蝶さん、と同じく、僕も怒ってるから。」
「ふ、2人とも怖い…」
流石柱の御方、圧のかけかたがお上手ですね。
「本当は、今、体温を測りたかったのですが、時透くんといろいろあったみたいで、測っても意味がないですよね。またあとで測りに来ます。」
「す、すみません…」
「では、とりあえず私はこれで。
…覚悟しておいてくださいね。」
怖い怖い怖い。
もしかしてこのご飯毒入りなのか。信用出来ないんですけど…
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美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません!!教えて下さって本当にありがとうございます…!へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…!本当にありがとうございます! (5月6日 9時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年2月28日 23時