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参拾参 ページ34

肩が血飛沫と悲鳴をあげる。
今までに感じたことがない類の痛みだ。
日輪刀の凄さを、身を持って痛感する。

「Aさん!?」
「っ、天泣!!」

その場にいる全員がこちらを見ている。

しかし一番に駆けつけてくれたのはしのぶちゃん、

いや、違う。

時透くんだ。

「ちょっと、何してるんだよ、!馬鹿なの!?」

珍しく声を張り上げて泣きそうな瞳で私を見つめる時透くん。

「だ、だって風柱さん、が、禰豆子ちゃん、のこと、刺そうと、するから、体が、勝手に、」
「あああ、!もう後で聞くから、とにかく呼吸で止血して、!」

するとすぐに、しのぶちゃんも来てくれる。

「Aさん!大丈夫ですか!?はやく蝶屋敷に行きましょう!」

そう言いながら、応急処置を済ましてくれるしのぶちゃん。

「え、でも柱合会議、…」
「そんなこと、言ってる場合じゃないことくらい、わかるでしょ。」

少し落ち着いた様子の時透くんが訴えかける。

「私のせいで迷惑かけてごめんね…
っ、でも柱合会議に出るくらいの体力、あるから。大丈夫だよ。」

隊立違反をおかしたのに、なにもせず蝶屋敷に行くのは、どうにも私の気が済まない。

「…わかりました。仕方がないですね。ですが、絶対、絶対に無理はしないでくださいね。」
「うん。ありがとう、しのぶちゃん。」
「…」

と、まあこんな会話をしているうちに体を張って助けた禰豆子ちゃんはまた風柱の手に。

「禰豆子を傷つけようとした上、Aさんのことを刺したこと、柱だろうが何だろうが、俺は許さない!!」
「ハハハ!そうかいよかったなァ!」
「辞めろ!!もうすぐでお館様がいらっしゃるぞ!」

これまた珍しく冨岡さんが声を張り上げる。
それによって風柱さんが一瞬動きをとめ、

その隙に、竈門くんが頭突きをくらわす。

竈門くんは、そこまで階級高くなかったはずだ。それなのに、風柱に頭突きを与えるとは、なかなかの実力者だ。
そして、竈門くんの手には禰豆子ちゃんの箱。

やった!
痛みに耐えながらも満面の笑みを浮かべる。

「ブフッ」

すると蜜璃ちゃんが、この状況に吹き出してしまった。なんかごめんね、蜜璃ちゃん。

「すみません」

消え入りそうな小さな声でつぶやく蜜璃ちゃん。
大丈夫、蜜璃ちゃんなら、全員許しちゃうよ。
だって可愛いもん。私も蜜璃ちゃん好きだし。

・・・

…あれ、私本当に肩刺された???

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美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません!!教えて下さって本当にありがとうございます…!へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…!本当にありがとうございます! (5月6日 9時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇‍♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年2月28日 23時

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