参拾弐 ページ33
すると蜜璃ちゃんが不安そうな表情で尋ねる。
「あ、あの、でも疑問があるんですけど…お館様がこのことを把握していないとは思えないんですけど…私たちが勝手に処分していいんでしょうか…
いらっしゃるまでとりあえず待ったほうがいいんじゃ…」
すると、柱の方々は一斉に静かになる。やはり、お館様には勝てまい。
「妹は、俺と共に戦えます！
鬼殺隊として人を守るために戦えます！」
そんな柱の方々に、竈門くんが必死に訴えかける。
「だから！」
「オイオイ、なんだかおもしれぇことになってんなァ」
急に竈門くんの言葉が遮られる。声の主の方を向くと、白髪の傷だらけの男が、
禰豆子ちゃんの箱を持っている。
「困ります、不死川様！どうか箱を手放してください！」
後ろにいる隠しの方が頼み込んでいるが私達の前に現れた男、風柱の不死川実弥は、禰豆子ちゃんを返そうとはしない。
「鬼を連れた隊士はそいつかィ。
一体、どういうつもりなんだァ。」
はっきりと開いた瞳は、蛇柱から向けられる視線と同じくらい恐ろしい。
「胡蝶様、申し訳ございません…」
「不死川さん、勝手なことをしないでください。」
珍しく怒っている様子のしのぶちゃん。格好良い。
「鬼が何だって坊主ゥ？
人を守るため、鬼が鬼殺隊として戦えるゥ？」
すると、風柱の手が刀に触れる。禰豆子ちゃんを傷つける気だ。その瞬間、禰豆子ちゃんを傷つけてはいけない、守らなくてはいけない、という感情が芽生えた。
そこから私は自分でも信じられないほど早く動いた。体の奥深くから怒りが吹き出てくる。全てを感情と体にまかせ、頭では何も考えずに、息苦しい中、ただ、動いた。
「そんなことはなァ」
腕に力を入れ、縄をちぎる。
「っありえねえんだよ」
刀が禰豆子ちゃんに向けられる。
いや、まだ間に合う。
まだ、助けられる。
鬼だろうが人間だろうが関係ない。私はただ、禰豆子ちゃんを助けたい。
その一心で、足に力を込め、地面を蹴る。
「馬鹿がァ！」
手が、箱にふれ、
刀が、肩を貫いた。
※申し訳ありません！！参拾弐話が抜けていました…
教えてくださり、本当にありがとうございます！※
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美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません！！教えて下さって本当にありがとうございます…！へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…！本当にありがとうございます！ (5月6日 9時) (
レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美雨音トウカ | 作成日時：2024年2月28日 23時
