弐拾捌 ページ29
は、派手柱め、余計なことを。
って、そんな最初から見てたの!?
「なんで言うんですか!時透くんが覚えてないならわざわざ言わなくてもいいじゃないですか!」
「いや、僕、覚えてるけど。」
「ええ!?」
「あのあと寝てたのは本当だけど。」
何故覚えている。
先程のはとぼけていただけだったのか。
急に時透くんが顔を近づけて、私の耳元で囁いた。
「君、顔真っ赤だったね。…今もだけど。」
横を見るとめずらしく口に弧を描いている彼。
吐息が耳にかかってくすぐったい。
「っあっ、え、え、も、もも、もう、む、無理!」
そう言って顔を手で覆い、その場にしゃがみ込む。
「あーあ。」
「お前がそうしたんだろうが、時透。っていうか俺は何を見せられてるんだ。はやく行くぞお前ら。柱合会議遅刻すんぞ。」
そういう宇髄さんに無理矢理立たされ、俵担ぎにされる。
俵担ぎ…?
「何故俵担ぎなんです!?」
とんでもない速さで駆け抜ける宇髄さんと、横についてくる時透くん。
「お前、運んでるだけありがたく思えよ!」
「いや運ぶにしてももっとマシな方法が!ひゃっ!?」
というと、乱暴に横に投げられた。すると、何故か心地の良いぬくもりに包まれる。
「そうかそうか、お前は時透のほうがいいんだったな?」
と意地悪く笑う派手柱野郎さん。
そう、今私は時透くんに姫抱きされている。
「そういうことじゃないですってば宇髄さん!時透くん、降ろしてぇ!」
「どうせ君のことどっちかが運ばないといけないんだから、だまってて。
…なんでまだ顔赤いの。」
いや、格好良い!
心臓が無理!この状況で顔赤くならないとかないでしょう!
「こここ、こっち見ないで!」
また手で顔を覆う。
「えー、どうしようかな。
ほら、どっちにしろ、とにかく目隠しと耳栓しといて。」
と、時透くんってこんな性格だったっけ!?
なんて思いながらどこからともなくでてきた目隠しと耳栓をつける。
まあ、いろいろありながらもお館様の御屋敷へ到着したらしい。
時透くんいつまで姫抱きしてるの?
「時透くん、もういいよ、ありがとう。そろそろおろしてくださいお願いします。」
何も起きない。
私だって、どうせまだ顔赤いんだからさ、はやく通常の顔にしないといけないんです。
しばらくすると、耳に音がはいる。
「おろすよ。」
時透くんの声が聞こえる。
やっと地面に足がつき、目に眩しい光がさす。
柱様が皆、こちらを見ている。
56人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません!!教えて下さって本当にありがとうございます…!へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…!本当にありがとうございます! (5月6日 9時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年2月28日 23時