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拾仇 ページ20

「いやぁぁぁっ」

前方から悲痛な叫び声が聞こえる。
少しでも多くの人の命を救う。
それが私達鬼殺隊の使命。
目の前で人が居なくなるのは、もう嫌だ。
そんな思いを胸に抱き、任務にあたる。

時透くんが鬼の首を狙いに行き、私は人命救助を優先する。
普段よりも大きい満月が、私達を照らす。

「大丈夫ですか。」

怯えた様子の女性のもとへ行き、抱きかかえて安全な場所へ運ぶ。

「は、はい。ありがとうございます!私、死ぬかと…」
「まだ安心できません。危険ですから、隠れていてください。貴方の命は、私達が守ります。」
「わ、わかり、ました。」

女性が身を潜んだことを確認したあと、時透くんのもとへ駆けつけた。

しかし、流石霞柱。もうすでに鬼は居なかった。

だが、まだ鬼の気配がする。おかしい。

「あ、あ、辞めてください!誰か!」

先程の女性の声が耳に響く。
女性が危ない。
…判断を間違えた。あのまま女性の側にいるべきだった、と後悔するも、もう遅い。
ぽつりぽつりと雨が降る中、急いで先程の場所へ足を運ばせる。
あの場所が見えてくるも、女性と鬼の間はわずか3寸。
対して、私と鬼の間は木も多くある中、六間はあいている。
私にできるだろうか。
時透くんは、柱とはいえあの位置からたすけに行くことは不可能だろう。

いや、私がやるしかない。

時透くん程強くないけれど、あの女性のことは私が守って見せる。



雨の呼吸 肆ノ型 糸雨(しう)



目を瞬きする間よりもはやく風を切る。
私の刃が鬼の腕に触れ、切り落とす。

しかし鬼はしぶとく女性に襲い掛かる。おそらく彼女は稀血の中でもさらに希少な部に入るのだろう。


まずい、おそらくまた広範囲の攻撃が来る。
腕を切るだけだは足りない。
私の体は、考えるより先に動いていた。

「っ時透くんっ!」

時透くんに合図を送り、頷くのを確認する。

女性をまた抱き上げ、力強く足をけると、左腕に痛みがはしる。
女性の代わりに攻撃を受けてしまった___
しかしこれくらいは想定内だ。きっと時透くんにもバレていないだろうし、傷は放っておいてもいいだろう。



霞の呼吸 弐ノ型 八重霞



そこで時透くんが鬼の首に刃を通し、鬼は消えた。

弐拾→←拾捌



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美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません!!教えて下さって本当にありがとうございます…!へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…!本当にありがとうございます! (5月6日 9時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇‍♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年2月28日 23時

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