拾参 ページ14
「それで、なんで竈門くんの妹さんを生かすことにしたんです?冨岡さん。」
「あれは、二、三年前のことだ。俺は朝から任務の知らせを受取り、」
「…もう少し簡単にお願いします。今日は時透くんのところにいかなくてはいけないので、申し訳ありませんが、時間がないのです。」
自分から訪ねてきて何を言っているんだ、と思いましたよね。私も思いました。しかも時透くんのところに行くの本人に行ってないし。でも本当にそろそろ時透くんの声を聞かないと私の精神が危険です。
…こんなんでよくここまで鬼殺隊やってこれたよな、と自分で思う。
「…あの兄弟は、他の者とは何かが違うと感じた。鬼の妹は、重度の飢餓状態であったが、兄を守る素振りを見せた。だから生かした。それから、あいつは俺とお前にとっての弟弟子だ。」
おお、冨岡さんがこんなにしっかりした日本語を喋れるなんて。じゃなくて、竈門くんって私の弟弟子だったの!?そういえば昨日も水の呼吸を使っていたような。
「そうなんですね。でも冨岡さんがそんな簡単に鬼を生かしておくとは思えないのですが。リスクが大きくありません?」
すると、冨岡さんはとんでもないことを発言した。
「俺は、鬼の妹が人を襲ったら、腹を切って死ぬ。先生もだ。」
「えっ」
思わず口から漏れ出した言葉。
彼が言う先生、というのは鱗滝さんのことだ。鱗滝さんは、私の師匠でもある。鬼殺隊に入る前は、師匠のもとで鍛錬をしていた。
今もたまに文を送り合っているが、切腹のような話は聞いたことがない。
まさか冨岡さんと師匠が切腹をする覚悟もあったとは…
私は意を決し、拳を握りしめた。
「それなら、私も腹を切って死にます。」
冨岡さんと同じく、私も彼らを見逃す判断をしたのだから、竈門くんの妹さんが人を襲った場合、私も彼らと同じ方法で責任を取るべきだ。
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美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません!!教えて下さって本当にありがとうございます…!へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…!本当にありがとうございます! (5月6日 9時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年2月28日 23時