壱 ページ2
任務の帰り道、前方に黒と淡い水色の長い髪を持つ彼が目に映る。私が彼の名前を呼ぶと、彼はゆっくりと後ろを振り返り、私が追いつくのを待ってくれる。
「時透くん!みてこれ!時透くんのために折り紙折ったの!」
「彼」の名前は時透無一郎。刀を握って2ヶ月で霞柱までのぼりつめた、天才
「なに、これ?」
首をこてんと傾け、問う彼に、「そりゃ、もちろん…」と自信満々に答える。
「時透くんの鎹鴉の銀子ちゃんだよ!上手でしょ!」
笑顔を輝かせ肯定の言葉を待つ私に、少しの間をあけ、彼は表情を変えずに言葉を返した。
「…これが鴉?ふーん、へったくそだね。」
「が、がーん」
笑顔だった私の顔に影がさす。いや、まあ、なんとなくそう言われるのわかってたけど!しかし時透くんは私にかまわずその毒舌っぷりを披露する。
「わざわざ声に出さなくても…」
少し顔をしかめて言う時透くん。そんな表情も私の心を踊らせるのには十分だ。
「だって悲しいんだもん!そこは嘘でもそうだねって言ってくれてもいいじゃん!」
「前に、嘘をつくのはだめって言ったのは君だよね。」
あ、あれは時透くんが怪我してるのに怪我してないとか言って心配させるから!
「君が言った通りにしただけなのに。」
そう言って、悪戯な顔を近づける彼。その仕草だけで、私の心臓はバクバクと音を立て、顔は紅に色づき、自然と手が口元へ移動する。
君に恋していることが、体中から伝わってくる。
君と居ると、調子がくるう___
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美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません!!教えて下さって本当にありがとうございます…!へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…!本当にありがとうございます! (5月6日 9時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年2月28日 23時