軍パロ。BL (ページ5)

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シキside、NOside

「これ頼むわ、シキ」
「シキ、ミス無いか確認しといて」
「うわ、シキ、手伝ってー」
「「シキ！遊ぼうぜ！」」

　今日も僕は呼ばれる。なんでだろうね、僕はただここに住み着いてる武器商人ってだけなのに。でも、ここにいられるなら良い。だから断らない。

「もー、しょうがないなー」

　視線を感じて、そちらを見れば、濡羽色に藍下黒のメッシュの入った髪、濡羽色の瞳、そして黒のレザーマスクを着けた真っ黒な彼が此方をじっとりと見ていた。

「っあ、八咫烏、おはよ」

ちょっと詰まったけど、挨拶は出来た。

…ﾌｲ

………無視されたけど。

「八咫烏〜、挨拶くらいせぇよ〜」

遠くの方にいる玲が、八咫烏を注意してる。
けど、八咫烏はそちらを睨んでから歩いてどっか行っちゃった。

ﾄﾝ

「………アイツ、どないしたんやろな」

いつの間にか背後にいた玲が、八咫烏の背中をじいと見つめて、独り言みたいに呟いた。

「それ僕が知ってると思う？」
「それやったら聞いとらんわ」

　……八咫烏は、僕の事が嫌いなんだろうなぁ。駄目だ、寝不足なのかわかんないけど、ネガティブになっちゃう。あ、インカム忘れた。部屋に戻らなきゃ。

「僕忘れ物した、取って来る！」
「…おう」

　玲が走った僕の事見てたのは気付かないフリ。城から派遣された兵の聞こえる様に言ってる陰口も気付かないフリ。

ちょっと、疲れたな。