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「ところでAちゃんはどこからオファー来てるの？」
授業も終わり、各々が職場体験先を決めている中透が私に声をかける。とは言われても3000もきてたらみれないし、いちいち考えるのもつらい。もう緑谷に任せたい。
『ぶっちゃけ全部捌けないから緑谷に頼みたい』
「あはは！だよねえ〜」
あいうえおの五十音順に並べられたそれを滑るようにみていると“エンデヴァーヒーロー事務所”の文字があった。
なんでエンデヴァーが？うちの息子に負けた気分はどうだってか？いや、そこまで子供相手にムキにならないか……。
『透は決めたの？』
「うーん、もうちょいかかる！」
『今週中なんて無茶な話だよ』
「ほんとね！」
くのところを探すと案の定クウォーターヒーロー事務所の文字もあった。最悪母のところにでもいくかなぁ。
「Aさぁあああん！！！！！」
『うるっさ』
耳を劈くようなその声に思わず手で耳を塞ぐ。案の定廊下にはいまにも飛びついてきそうな守がいた。
ついこの前まではお淑やかに泣いてたのに………性別だけじゃなくて性格も反転させてんじゃないの？
「どこにしましたか！？」
『まだ決めてる途中』
「こんなにきてるんですね！やっぱすごいや！」
『とかいいつつ守も結構きてるんじゃない？』
「Aさんの足元にも及びませんよ！」と笑顔で言う守。
そういえば守との対戦の時におかしな紹介をされてたっけな。婚約者対決だのどうだの、絶対にクラスメイトがバラした。あとで調べなきゃ。
守の婚約話を進めようとしてる叔父がみていたとするならば効果はあっただろうけど。元々そのための設定だ。個性婚、させないための。まあ設定ではなくなりつつあるんだけどね、
「あっ！そうだ！俺はクウォーターヒーロー事務所にしますよ！」
『え』
「えへへ、きてました！じゃあそれだけなんで！」
また明日！と駆けていく守。まるで嵐みたいだなぁ。にしても二人指名できたのか。
母がなんで彼にオファーしたのかは知らないけど、守と一緒に親の元で職場体験はちょっとやだな。
『………クウォーターヒーロー事務所は除外、と』
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