限界オタクの隣人事情 [斉藤壮馬]

9　彼女のこと -sideS- ページ9

今日一発目の仕事は
アニメのアフレコ。


何テイクか試し、撮り終わったところで
安元さんに声をかけられた。


安「壮馬、お前なんか今日調子良かった？」


壮「えっ、そうですかね」


安「ああ、なんか声が乗ってたよ。
いいことでもあったの？」


壮「あ〜…ありましたね。
美味しいフレンチトースト食べました」


安「え、いいな俺も食べたい」


壮「本当美味しかったんですよ。
手作りとは思えないくらいで」


安「…手作り？」


壮「あっ」


しまった、と思った時には時すでに遅し。


安元さんが俺を完全に
"そういう目"で見ている。


安「ついに壮馬にも美味しい朝食
作ってくれるような人ができたか〜！！」


壮「ち、違うんですよ！！
彼女は本当にただのお隣さんで！」


安「え〜、ほんとかな〜〜」


壮「本当ですよ！！
全然そういう仲ではないんですって」


安「壮馬的にもそういう気はないの？」


壮「や、まあそれは、なんというか」


安「あるんだ」


壮「え〜…ないわけじゃないですよ、
ずっと笑顔だったし、料理上手だったし…」


安「料理上手だったし？？」


壮「...可愛かったです」


安「甘〜！！！！！！！！！」


壮「でもほんと、そういう感じじゃないんですよ！」


安「了解了解。応援してっから」


そう言って俺の肩をぽんぽんと叩く。


壮「…あれ？ 了解してないですよね？」


安「wwww」

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