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壮「どう?落ち着いた?」
『…うん』
公園のベンチに座って、
繋がれた右手の熱が増していくのを感じる。
壮「A」
『な、なに』
壮「大好き」
『っ!!』
ずっと言われたかった言葉を、
なんのためらいもなく言われてしまう。
『急に、そういうこと、言う…?』
やっと涙も引いて落ち着いてきたのに、
心臓の音だけは早いまま。
壮「今まで言えなかったぶん。
たくさん言うから覚悟して」
『むりすぎ…』
ずっと大好きだった人が、
私の横で私に甘い言葉を吐く。
その度に脳が優しく揺れる感覚に陥っていく。
壮「…A、手熱い」
『言わないで、恥ずかしい』
壮「かわいいじゃん」
『やめてよ…』
壮「ずっと言えなかったんだからいいでしょ」
『よくない…。あ、そういえば壮馬、
好きな人いるって言ってなかった?』
壮「A」
『え?』
壮「それ、Aのこと」
『えっ…』
壮「でもA、全然気づかないんだもん」
『絶対私じゃないって思いながら
聞いてたから、そりゃ…』
壮「全部Aのことだったけど」
『…もうだめ恥ずかしくて泣く』
壮「まだ泣くの?w」
ちょっとだけ涙ぐんでしまって、悔しい。
そこでふと、考える。
『壮馬が、私の、
ただのお隣さんじゃなくなった…?』
壮「そうなる、ね」
『ああ〜…』
壮「なにw」
『…好きだなーって』
壮「俺も」
見つめあって何秒か。
少しずつ距離が近づいて、
唇と唇が触れ合った。
『…っ』
壮「あ、照れた」
『好きになりそう』
壮「好きでしょ?」
『実はね』
繋がれた右手の指が絡まる。
ずっとずっと、二人で。
こうやって、夜をともに。
大好きだよ、壮馬。
…なんて、恥ずかしくて言えないけど。
これからも、隣で。
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そると(プロフ) - mちゃさん» ありがとうございます!!近々続編を投稿予定ですので、ぜひよろしくお願いします! (2020年6月16日 20時) (レス) id: 88d0dc4af6 (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - 好きです!続編楽しみに待ってます! (2020年6月13日 0時) (レス) id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
兎亜(プロフ) - こまつさん» ありがとうございます!また近いうちにお会いできるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします! (2020年6月12日 19時) (レス) id: 51dcbeb2a7 (このIDを非表示/違反報告)
こまつ(プロフ) - お疲れ様でした!いつも楽しく拝見させていただいてました!これからも頑張ってください! (2020年6月12日 18時) (レス) id: f4d38f94f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:兎亜 | 作成日時:2020年5月31日 17時