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49 本当の恋なら ページ49

壮「A…!」


今一番聴きたくて、
一番聴きたくない声が聞こえて、思わず振り返る。


そこには、何かたくさんの感情を
かみ殺すような顔をした壮馬がいた。


『壮馬っ…。なん、で…』


壮「…"好きな人"があんな顔してたら、
ほっとくわけにいかないでしょ」


え…今、なんて…。


壮「A」


一歩、また一歩。


壮馬が近づいてくる。


『壮、馬…』


ダメ。それ以上近づいたら、
触れたくなってしまうから。ダメ。


そう言いたいのに、
息がうまく続かなくて、言葉を紡げない。


壮「A。俺…」


『待ってっ…!』


その言葉の続きを聞いたら、
きっと私たちの運命は大きく変わる。


それがなんだか怖くて、息が詰まる。


壮「やだ。待たない』


壮馬が私の涙を優しく拭って、
二人で温度を共有する。


次に壮馬が言う言葉が、
伝わってきたような気分になる。


壮「好きです。俺と、付き合ってください」


壮馬の声を耳で受け取って、
脳で理解するまでの短い時間。


呼吸が止まって、涙が流れる。


それは、さっきまでの涙とは違う。


甘い、甘い涙だった。


『もう…言うの、遅い…!』


言い始めと同時に、壮馬の胸に飛び込む。


いつまでたっても素直になれない私に嫌気がさすけど、今だけは許して。


壮「…ごめん、お待たせ」


『私も…壮馬が、好き』


壮「うん…ありがとう」


幸せを抱きしめるように私の頭を撫でる壮馬。


止まらない涙は、今は嫌ではなくて。


今まで抑えていた想いとともに、
すべてを包み込むように頬を流れていた。

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そると(プロフ) - mちゃさん» ありがとうございます!!近々続編を投稿予定ですので、ぜひよろしくお願いします! (2020年6月16日 20時) (レス) id: 88d0dc4af6 (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - 好きです!続編楽しみに待ってます! (2020年6月13日 0時) (レス) id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
兎亜(プロフ) - こまつさん» ありがとうございます!また近いうちにお会いできるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします! (2020年6月12日 19時) (レス) id: 51dcbeb2a7 (このIDを非表示/違反報告)
こまつ(プロフ) - お疲れ様でした!いつも楽しく拝見させていただいてました!これからも頑張ってください! (2020年6月12日 18時) (レス) id: f4d38f94f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:兎亜 | 作成日時:2020年5月31日 17時

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