限界オタクの隣人事情 [斉藤壮馬]

46　見せて -sideS- ページ46

イベントももう中盤に差し掛かってきたところ。


時を見計らって、Aの姿を探す。


…あ、いた。


なんか今日のAはいつにも増して可愛くて、
隣にいたらきっと、触れたい衝動に駆られていた。


Aを見つけた瞬間に目が合った。


そのまま優しく微笑むと、照れたように、切ないように笑い返してくれるA。


なんか、元気なさそう。


好きな人には幸せでいてもらいたいから、
それがすごく切なくて、やるせ無い気持ちになる。


西「壮馬？聞いてる？」


壮「え？」


宏太朗の声で我にかえる。


そうだ、イベント中。切り替えなきゃ。


西「珍しいね、壮馬が話聞き逃すとか」


八代「確かに！！！


壮「食いつき方すごいな」


花「何考えてたの？
もしかして俺のこと？や〜照れるな〜」


壮「いや、違うけど」


花「私以外の女のこと考えてたのッッ！？
最低ッ！私だけって言ってたのにッ！」


壮「ちょっと待って、なにww」


西「ちょっと！！誰よこの女！！！
私が一番って言ったじゃない！！」


壮「参戦しないでww」


ほんと、突拍子もなくこういうことする…w


あー、もうw


拓笑っちゃってるしw


壮「ごめん、俺の恋人は…拓ちゃんだから…！」


八「ここで俺巻き込むの…？w
…うれじいっ！！！壮馬きゅん大好きっ！！！」


花「あはははwww」


場が少し落ち着いたところで、
再びAに目を向ける。


遠くでAは、
今にも泣きそうな顔で俺を見ていた。

47　見せられない→←45　イベント

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す