限界オタクの隣人事情 [斉藤壮馬]

38　お悩み相談 ページ38

ちょっと柄じゃないけど、考え事してもいいですか？


いいっすよね、します。


私、壮馬のこと好きなんですよ。


壮馬がどう思ってようが、私個人としては会いたい、話したい、と思うのも不思議じゃないはず。


告白はするつもりなし。


理由は…壮馬を困らせたくないから。


きっと壮馬は優しいから、私の想いを知ったら気を使ってしまって、これまでみたいに話せなくなる。


それが、嫌だ。


この思いは私の中だけに留めておけばいい、とか
そんな綺麗なことは言えないけど。


とにかく明かすつもりはないんだ。


これからも推しとしての"好き"と、
男性としての"好き"を持ち続けていこうと思う。


壮馬からしたら私は友達で、いい飲み仲間。


それ以上でもそれ以下でもない。


…あーもう、いいや。


考えるのやっぱ難しい。頭痛いし。


脊髄反射で口から出まかせ話すくらいが、
私にはちょうどいい。


んで、私が今考えことをしているここは
職場であるカフェの休憩室。


候「先輩、考え事ですか」


『んー、まあそんなとこ』


候「なんかあったんですか」


『えー…。候くんはさ、恋とかしたことある？』


候「俺は…人並みに」


『そっか…じゃあ、一個聞いてもいい？』


候「なんですか？」


『男の人は、何されたらときめく？』


候「えっ」


いやそりゃ困るよねごめん今のは私が悪い。


でも一応恋する乙女(笑)だからさ！！！


知りたいの！！！！！


候「あくまで俺の趣味ですけど。名前呼び捨てにしてもらったり、何気ない時間も一緒にいてくれたり、好意的に話してもらえるだけで、俺は嬉しいですよ」


『ほんと？じゃあ、
なるべく一緒にいた方がいいのかな』


候「それがいいですよ」


ありがと、候くん。

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