限界オタクの隣人事情 [斉藤壮馬]

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ゆあです全日本電話したい選手権第92位の鍵原が電話したそうにAのこと見てっけどどうする?
A電話しよ
ゆあですかけます
Aトイレ行ってくるわ
ゆあですなんで今なん?はよ
A戻ってきた


そう送ったと同時にあの聞きなれた着信音。


『はーい』


由「A〜〜恋バナしようぜ〜〜」


『突拍子がないどころの騒ぎじゃないな』


由「どうなの斉藤氏とは」


『別に何も変わらん。ただちょっと男性として見るようになった』


そう。由亜に色々言われたあの日から、
壮馬のことが少し気になり始めた。


と言ってもいきなり好きになったわけじゃなくて、
ふとした時に「こういうとこ好きだな」とか「今の好き」とか思うようになったくらい。


由「ふーん…もう良いんじゃない？」


『何が？』


由「恋しても。良いんじゃない？」


『恋…ですか』


由「そ、恋。
今のAはきっと、まだ壮馬さんのことを推しとして見てるところがあって。その思いを恋とすることをタブーっぽくしちゃってると思うわ」


的を射すぎていてぐうの音も出ない。


由「でもさ、もう良いんじゃない？好きの気持ちなんて抑えられるもんでもないだろうしさ」


『うん、うん…』


自分の気持ちに"推しだから"という言い訳をつけてずっと目を背けてきた私を、まっすぐに正してくれたような。


そんな気がして、今まで堪えてきた
壮馬への思いが溢れこぼれだす。


『良い、のかな。ただの隣人で、
ただのオタクなのに、好きになっても』


由「もうAと壮馬さんは、友達とかオタクと推しとかの関係を超えてるように見えるから、大丈夫」


壮馬のことが、好き。


一緒に時間を重ねていくたびに、
その思いは大きくなって行く。


『ありがと、由亜』


由「おうよ。振られた時は慰めてやるから」


『そこは応援して』


由「がんば〜」


『感情なさすぎるな〜〜』

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